お隣り韮崎市に今月から走り始めたキャラクタータクシー「ニーラタクシー」の記事をかいた。
韮崎市のマスコットキャラクター「ニーラ」は、〈神さまのお使いで、魔法の力で人々の夢をかなえる不思議なカエル〉なのだそうだ。
以前どこかでそれを読んでから、ニーラを見るといいことがあるような気がしていた。いいことなら、それがたとえ気のせいであっても、うれしい気持ちになる。
そんな小さなことごとを素直に受け止めていれば、毎日のなかでの〈ちょっといいこと〉も増えていくように思う。
タクシーで思い出すのは、新聞のひと言欄にかいてあったミニエッセイだ。
咳が止まらない運転手に、筆者がいう。
「蜂蜜をたっぷり入れた紅茶を飲むと、僕は咳が楽になるんです」
だが運転手は返事をしない。しばらくして、筆者に問う。
「それ、誰に聞いたんですか?」
怪訝に思いながらも、筆者は答える。
「以前風邪をひいて咳が止まらないときに乗った、タクシーの運転手さんに」
「それ、わたしです。蜂蜜紅茶で咳収まったんですね。よかった」
タクシーというものは、初対面の人と人が車で乗り合わせ、あるときには親しく会話する不思議な空間だ。その空間の妙と、偶然と、ふたりが持ち合わせた他人への思いやりと。そんなものを綯交ぜにした印象に残る記事だった。
知らない人同士が〈袖すり合う〉シーンって、けっこうある。
だがその小さなご縁は、一歩踏み出さないと〈袖すり合わない〉ことも多い。
迷惑だったら嫌だなと常識からはみ出すほど近づけないながらも、人に近づきたい、興味を持っていたいと思い気持ちは、わたしにもある。
新聞に投稿した方のような経験を、ぜひしてみたいものだと思う。
JR中央線韮崎駅前のロータリーに停まっていたニーラタクシー。
シートには、いつものカラフルなニーラが。
ベンチに座った石造りのニーラ。シックで洒落てるなあ。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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