夫の実家である神戸に帰省する際、少しだけ日にちをとって、京都、奈良を歩こうということになった。というわけで、京都は比叡山に登った。
登ったといっても、ケーブルカーとロープウェイで山頂まで行ける。
世界文化遺産である延暦寺は、そこから広がる「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」と3つの地域に分かれているが、それらすべてを含めたものを「延暦寺」というそうだ。なので「延暦寺」という名のお堂はない。東塔、西塔、横川は、歩くには距離があり、30分に1本バスが運行している。1dayパス(800円)を買い、3つの地域を回ることにした。
横川には、舞台造りの美しい朱塗りの建造物、写経発祥の地でもある「横川中堂」や、疫病を払ったとされ、おみくじの創始者と言われる元三大師の住居跡「元三大師堂」がある。歩く道々に、小さく素朴な石仏さんが祀られていて、木漏れ日の降る素敵な散歩道だった。
西塔には、信長焼き討ちの後秀吉が大津の三井寺から移築した「釈迦堂」がある。伝教大師自作の釈迦如来を本尊としていることから「釈迦堂」と呼ばれているが本当の名は「転法輪堂」というそうだ。「にない堂」では実際に修行が行われていて、お堂には入れなかった。
東塔には、本尊の前に「不滅の法灯」が1200年以上灯り続けている「根本中堂」があるが、大規模な補修工事中だった。江戸時代に建てられた「文殊楼」は、建物内の急な階段を上り文殊菩薩を参拝することができる。食事ができる休憩所は、東塔周辺に集まっている。
そこここで目にしたのは、「一隅を照らそう」という言葉だった。
1200年前、伝教大師最澄は、日本の人々に幸せをと日本に合った仏教を比叡山に開いたという。その教えは「個々が思いやりの心を持って一隅を照らす人になる」=「ひとりひとりが相手の立場に立って考え、自分のできることを精一杯行うことが周りをよくすることにつながっていく」ということだそうだ。
「一隅を照らそう」
素敵な言葉だな、と思った。そうありたい、とも思った。
ほかに予定を入れずのんびりと歩いた比叡山は、思いのほか気持ちのいい場所だった。見上げた空は、夏の終わりを告げていた。
出発地点は、宿泊したホテルのある八瀬から。
横川の林道です。森のパワーを心に身体に感じる散策になりました。
朱塗りの建物が美しい、横川中堂です。
西塔の釈迦堂。内陣特別拝観を初公開していて観ることができました。
東塔にあった石碑です。「一隅を照らそう」
文殊楼。梯子のように急な階段を登って2階に祀られた菩薩様を拝みました。
おはようございます。
まあ、こちらに来られていたのですね。夏の終わり、まだまだ暑いけれど山や空や風や。あちこちで秋を感じられたことでしょう。比叡山は少し涼しかったですか?
ずいぶん昔に行ったきりです。市内から見ているだけで、行ってみるにはなかなか遠く感じる比叡山ですが
さえさんの、写真を拝見して、いいところだな~と再認識しました。
「一隅を照らそう」本当に、いい言葉。
皆がこのことを心がけることが出来れば・・・・。そんな心のゆとりが持てればいいですね。
ぱすさん
そうなんです。何とか風邪も治り、予定通り来ることができました。
比叡山、涼しかったです。山梨と変わらないくらいかもしれませんが、山のパワーを浴びて気持ちがよかったです♩いいところでしたよ。
「一隅を照らそう」
心に響くものがありました。
自分も含め、みんなが心がけることができたら平和で温かな世界になるんでしょうね。
今回のお宿も、エクシブですね!
私も昨年春、八瀬のエクシブに宿泊した時、延暦寺に行きました。
一番行きたかった横川には時間がなくて行けず、東塔と西塔の周辺を歩いただけでした。
その時のブログで、私も「一隅を照らそう」の事に触れてました。(^^ゞ
今度はゆっくり時間をかけて、比叡山をメインに歩きたいです。
先斗町での軽い食事、こういう楽しみがいいですね。
さえさんのブログを読んで、京都、行きたくなりました。!(^^)!
ユミさん
そうです~エクシブです。
ユミさんのブログ、読みました。お友達との女子旅でしたよね~。
「一隅を照らそう」の言葉、そのときに読んだのが残っていたのかも知れません。すごく、胸に響きました。
延暦寺を歩いてこそ感じるってこともあるのかも知れませんね。
とてもいい散策になりました。風邪もすっかりよくなりました。
横川の森を歩いたのが、わたしにはいちばんよかったです。でも東塔が、改修中だったからそう思ったのかも。
ゆっくり写経とかできたら、また違うんだろうなあとも思いました。
先斗町は、歩くだけでも楽しい通りですね♡
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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