ビルバオからバスで約1時間走ると、「海に浮かぶ教会」あるいは「スペインの万里の長城」とも呼ばれるサン・ファン・デ・ガステルカチェ教会がある。
海岸から細く長い道でつながれた島のてっぺんに建つ無人の小さな教会だ。漁師たちの無事を祈り建てられたものらしい。
車では途中までしか行けない。バス停からは、舗装されていない道を30分ほど下って、ようやく島の入口に着いた。そこから上りの階段は237段あるという。覚悟はしていたがごつごつした石の急な階段のきつさにすぐにバテてしまった。
「これ、5合目ってことかな?」
間隔を開けてローマ数字のかかれた十字架が設置してあり、数を増やしていく。
「ああ、そうかも。やっと、半分かあ」
などと言いながら、息を切らし、ゆっくりと足を進めた。
「がんばれ! 8合目だ」
「やっと、9合目」
「えっ? なんで、10合目がここにあるの?」
登り切っていない場所に「Ⅹ」の数字を見つけ、ふたり山で使う何合目といったものとは違うのだと気づいた。
それにしても、9合目、あと少し、と思っていたところで10合目が出てきたときには愕然とした。「帰宅効果」ではないが、人はいつも自分の行く道を計り、イメージし、歩いていくものらしい。頂上は、気持ちのいい風が吹いていた。
「14までだ。キリストの絵図が14枚だからかな」
夫が言った。そうだ、教会に来てるんだった、とわたしも思い出した。
イエスへの死刑宣告から埋葬まで14場面で表されていることから、イエスの受難の道をたどる礼拝のための道に14の十字架が設置されるようになったのだという。その道を歩くことを「十字架の道行」というのだそうだ。
宗教は持たないが、それと知って胸がしんとするような心持ちになった。
知らないことを知るのも、旅。知ることで、自分のなかに新しい気持ちが生まれていく不思議を味わうのもまた、旅だ。
洒落た道しるべに微笑みながら、歩き始めました。
教会を見上げて、237段の階段スタートです。
途中で振り返ると、深く青い海。
削られた岩に、荒波のときの怖さを感じました。
バテながらも、この景色に癒されます。
着いた~。鐘を3回鳴らすと願い事が叶うと言われています。
教会の裏の日陰で休憩。海、真っ青!さ、帰りもがんばって歩くぞ~。
帰り道の風景は、行きとは違って見えました。
やはり、一本の道でしたか。
この、海に浮かぶ教会もその番組に出て来ましたよね?
モンサンミッシェルを思い出し、昔は過酷な場所に聖地を築いて祈りを捧げたのだなと思いました。
海がとても美しいですね。
ランチのビール美味しかったでしょう。
さえさんの、後ろ姿素敵です。
ぱすさん
そうなんです。この教会はぜひ行きたいって話になったんですよ~。
ぱすさんは、モンサンミッシェルにも行かれたんですね。
海って人にとっては危険もいっぱいある場所だけど、それだけに美しく見えますよね♩
ビール美味しかったです♡こんなに歩いたの、久しぶりでした。
半袖のワンピース持って行って正解でした。
ありがとうございます。
パリからスペインまで行くなんて、さすがさえさんご夫婦ですね~
しかもスペインのとっても素敵な景色!
実際にこんな景色を目の前にすると、感動ものですね。
海の中にある細い道は、ほんとに万里の長城みたいで、全部歩かれたんですね~
歩かなければこの素敵な景色は見れないですものね。
教会も素朴でいいです。 鐘は鳴らされたんですか?
私も見てみたい、歩いてみたいけれど、夢のまた夢です。(^-^;
ユミさん
海の向こうに教会が見えた時にも素敵な風景だと思いましたが、やっぱり登らないとこの風景は見られなかったんだ~と思いました。ほんと、きれいでした。
教会は、漁師さんたちが持ち寄ったもので作ったとたしかテレビの番組で言っていました。素朴ですよね。
鐘、3回鳴らしましたよ~。
願いごとは、家族の健康かな。他には何も思い浮かびませんでした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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