ピントのアパートでは、コインランドリー室がアパートに2つあり、そこで洗濯し、乾燥機で乾かす。
洗剤は自動で入る仕組みになっていて、おしゃれ洗いバージョンなどは選べない。
なので、洋服選びも洗濯機で洗えるものを選び、持ってきた。どうしても着たくてピンクのチェックのワンピースは持ってきたが、ネットに入れて洗うつもりだ。
ところで明野の家では、洗面所にバスマットのほか大きめのラグを敷いている。
それを洗うとき、いつもとは違う洗剤を使っていた。特にこだわりがあってのことではない。去年、ドイツへ旅したとき、洗剤なしのコインランドリー付きアパートで過ごすにあたり、購入していったキューブ型の洗剤が余っていてのことである。
毎回そうしていればすぐになくなったのだろうが、つい忘れていつもの粉末洗剤ニュービーズを使ってしまい、なかなかなくならない。
なぜ、マットに? といえば、衣類に使うには匂いがきつめだからだ。
まあ、好き嫌いのレベルだろう。なにせ、20年以上ニュービーズユーザーであり、新たな匂いに慣れるのはそう簡単なことではない。
だが、旅に出るとそうはいかない。
その土地の、その建物の、その部屋の、長い旅ならそこの洗濯機で使う洗剤の匂いは、当然いつもの匂いであるわけがない。
夫の個展の会期は、3週間。丸々ひと月スペインで過ごすことになる。
帰る頃にはたぶん、ピントのアパートの匂いにもすっかり慣れていることだろう。

キューブ型の洗剤と、粉末のニュービーズ。

キューブは、洗濯槽にそのまま放り込みます。

ほかによく使うのは、レノア、エマール、ウタマロ。
スペインのスーパーマーケットで洗剤を買うことはありません。洗濯機は、洗剤込みの値段のコインを投入するスタイルだし、キッチンの洗剤は週に一度の清掃のときに補充してくれます。

旅の初日に、生活雑貨を買いに出かけたエボリ・ショッピングセンター近くで。

何の木だろうと見上げました。調べると、栴檀(センダン)の木だそうです。
栴檀のありあまる花こぼさざる 鷹羽狩行
季語「楝(あふち)の花」の傍題として「栴檀の花」がありました。「あふち」は栴檀の古名だそうです。

栴檀の木が数本ある広場には、古い教会の遺跡「Ermita de San Antón」が静かに佇んでいます。
雨が降ったりやんだりの一日でした。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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