来月9月の句会の兼題に「秋の雲」があるので、『俳句歳時記・秋』のその周辺、秋の天文の季語を調べてみた。
「秋の日」眩しく美しい秋の太陽、またその陽射し。
傍題「秋日」「秋日影」「秋入日」など。
戸を開けてまづ秋の日を招き入れ 岩田由美
「秋の空」澄み切った秋空。
傍題「秋天(しうてん)」「秋空」など。
去るものは去りまた充ちて秋の空 飯田龍太
「秋高し」大気が澄み、晴れわたった空が高く感じられる。
傍題「天高し」「空高し」など。
鳶の輪に斬り込む烏秋高し 茂惠一郎
「秋晴」秋空が澄んで高々と晴れわたること。
傍題「秋日和」「菊日和」など。
秋晴の口に咥へて釘甘し 右城墓石
「鰯雲」巻積雲または高積雲。まだらな雲片の集まりが空一面に広がる。
傍題「鱗雲」「鯖雲」など。
鰯雲人に告ぐべきことならず 加藤楸邨
鰯雲を眺め、この気持ちは人には伝えられない。伝えたところでどうにもならない。楸邨、33歳。職を離れ生活の岐路に立ち、そんな思いで詠んだ句だという。
俳句は、詠まれた背景や詠み手の気持ちなどを調べなくとも、受けとった側で想像の翼を広げ鑑賞を楽しめるものである。けれど、背景がわかるとより深く惹かれる句もある。秋の陽射しや空を詠んだ句には、そんな背景が見え隠れしているような気がした。
ウッドデッキから見た秋の空。羊雲というのか、鰯雲か。
うろこ雲か。鯖雲か。
見る方角によって、雲もいろいろ。
こちらは、スーパー駐車場で見た雲。
空が青かった。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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