午後8時、夕食のあと蛍を見に出かけた。
韮崎の国道141号線沿いの柳原神社付近では、6月1日~20日まで蛍が見られるという。「小田川のホタルまつり」は、6月13日の夕刻からで、露店なども出るらしい。
塩川まで1分ほど歩くと、飛翔する蛍の灯りを(50匹くらいいただろうか)見ることができた。
「蛍」は、三夏の動物の季語。傍題に「初蛍」「蛍火」「源氏蛍」「平家蛍」「夕蛍」「蛍合戦」「流蛍(りゅうけい)」などがある。
川ばかり闇はながれて蛍かな 加賀千代女
塩川の豊かな流れの向こうに飛ぶ蛍を見たばかりだったからか、「闇はながれて」が言い得て妙だと感じた。川ばかり闇が濃かった。
ゆるやかに着てひとと逢ふ螢の夜 桂信子
蛍の夜の会瀬だろうか。大人の色香を感じる女性ならではの句。
雨蛍消えしところにぽとともる 野澤節子
以前、雨の夜に蛍を見に出かけたことがあり、草むらに「ぽとともる」のを実際に見た。「ぽとともる」がいい。
蛍火の明滅滅の深かりき 細見綾子
「明滅」の「滅」にスポットを当てた印象的な句。蛍が灯ることで、闇はますます深くなっていく。
また、「蛍狩り」は、仲夏の生活の季語となる。
蛍狩うしろの闇へ寄りかかり 正木ゆう子
この句も、闇に注目している。寄りかかることなどできぬ闇。寄りかかれば、闇に落ちていきそうだ。
はからずも、女性俳人の句ばかりを選んでいた。目をつぶれば、まな裏に蛍が描く儚く細い光の線が見えてくる。

「小田川ホタルまつり」のテント。

国道141号を渡って、塩川の畔へと歩きました。

古くから、ホタルの里なんですね。

帰りに、明野の「浄居寺」に寄りました。ここにも、蛍が10匹ほど飛んでいました。

浄居寺のまえに広がる田んぼ。蛍は、田んぼの方にもふらふら飛んでいきました。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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