1月の兼題は、「去年今年(こぞことし)」と「冬木立」。
「去年今年」は、新年の時候の季語。
これまで過ごしてきた去年から、新しい年である今年へと、すみやかにつないでいく元旦の感慨を表す季語だそうだ。
例句は、高浜虚子の代表句。
去年今年貫く棒の如きもの 高浜虚子
昭和25年に詠まれたこの句には、虚子の強い信念が表れているという。
去年今年闇をかなづる深山川 飯田蛇笏
またこの句には、闇を舞うように流れゆく深山川に、過ぎ去った年から新しい年へと脈々と流れていく太い時の流れが詠まれている。
冬の植物の季語「冬木」には、傍題「冬木立」「冬木影(ふゆきかげ)」「冬木道(ふゆきみち)」などがある。
斧入れて香におどろくや冬木立 与謝蕪村
枯れたように見える木にも、春待つ生命力が秘めていたということへの発見や感動が伝わる句。
冬木立ランプともして雑貨店 川端茅舎
寒々しい冬木立とランプの明るさ温かさが、鮮やかな対比となり味わい深い句。
「冬木立」は、江戸時代の俳人に好まれた季語で、寒々しさ、葉が落ちて透いた明るい風景、乾いた感じなどに冬らしさを感じさせる季語だそうだ。
その季語が持つ淋しさや明るさなどと響き合うものや出来事を、置くことが大切だと教わった。
わたしの句は、こちら。
バーボンの解(ほど)ける琥珀冬木立
以前、ひと仕事して帰りに一泊した軽井沢のホテルのバーでのこと。カウンター越しのライトアップされた冬木立が美しく、そこで一杯飲んでホッとひと息ついたことが記憶に残っていて、それを詠んだ。
2月は、「余寒」「梅」。ますます寒くなるばかりだが、春へと向かっていく季節だ。
こちらは近所をウォーキングしたときに撮った、冬木立。空が青いと「冬木立」のイメージも変わりますね。
2階のベランダから撮った、晴れた日の隣の森の冬木立。
一昨日の軽トラコーナー。
隣の森の冬木立からは、八ヶ岳が透けて見えます。
リビングから見た八ヶ岳連峰。左上には、野鳥がぶつからないように窓に貼ったバードセイバーが。
八ヶ岳は、冬眠る姿です。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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