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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

旅靴屋のブーツ

一昨日、オーストラリアに着いたとLINEがあった。

ひと月ほど、明野に戻ってきていた上の娘は、いつも思うのだがひとところにじっとしていない。

「3ヶ月くらい、オーストラリアに行ってくる」

リモート会議に使うパソコンを抱え、飛行機で飛んでいった。

 

その娘がひと月前に帰ってきたとき、駅まで迎えに行ったわたしのブーツを見て、言った。

「お母さんのブーツ、わたしのと似てるね」

娘のブーツは革で、わたしのはスエードだが、形がそっくりだ。

「ほんとだねえ。旅靴屋のブーツだよ」

「うそ。わたしも旅靴屋」

彼女は、サイズもわたしと同じ24㎝。並べると、旅靴屋のブーツのなかでも形がそっくりなものを選んでいた。

「浅草にあるんだよ。旅靴屋」

「お母さんは、箱根で買った」

神戸の靴を中心に、歩きやすさ重視で靴を選び販売している靴屋である。

「靴は、歩きやすくなくちゃ」

「だよね」

こんなところで、母娘というものは似るものだと驚き、しみじみとした気持ちになる。

DNAの不思議。理解できないところも多々持ち合わせているというのに。

 

さらに薪運びをするときに娘が履いていたスニーカーを見て、ふたたび驚く。

「それ、お母さんのニューバランスと色違い」

「えーっ?」

ここまでくると、もう笑いが出た。

 

彼女は今、旅靴屋のブーツで晩秋のオーストラリアを歩いている。

わたしのブーツも、そろそろ旅に出たそうだ。

ブーツのかかと側を見て、似てる! と娘。

左のスエードがわたしのブーツです。

なんとニューバランスのスニーカーは、色違いでした。

出発前に、ドライブした富士吉田で娘が撮った写真です。

夫のおさがりの一眼レフで撮っています。

こちらは、スマートフォンで。

オーストラリアでも、写真たくさん撮ってるかな。

 

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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