26歳の上の娘を見ていると、目が回りそうになる。
あれをしていたかと思ったら、これ。こっちにいたかと思ったら、あっち。
まるで、泳ぐことをやめたら死んでしまう鮪のようである。
先日会ったときには、両手合計3本の指にテーピングをしていた。バスケットボールのサークルに入っていて、突き指したそうだ。年末には、スノーボードで転んでむち打ちになっていたし、昨夏には富士山に登ったと言って山頂で撮った日の出を見せてくれた。
きのう「本籍地ってどこだっけ?」とLINEが来た。
春休み、就職してから初めて休みをとってインドに行くのに、必要だそうだ。
「父親似だな」
インドがではなく、鮪がである。
彼らを見ていると、時計の秒針を思い出す。
目にも留まらぬ速さというわけではない。ちょうど目に留まるくらい速く動いている。目に留まるから、ほーっと感心させられる。
わたしこそ、目に留まらぬ遅さで動いている時針のようなものだ。
カチコチカチコチ。彼らはわたしの周りを何周もしていく。わたしは、ゆっくりと動きながらそれを見ている。一緒にいるようでいて個々別々に過ごしている感も無きにしも非ず。もちろんそれで、居心地が悪いわけではない。秒針と時針のような関係の方が、逆にさっぱりしていて相性もいいのかも知れない。
しかしたがいの存在は、すれ違うたびに小さな風を吹かせ空気を変えていく。微かな摩擦を起こし熱さえ生んでいく。
ときどき、彼らの歩幅に合わせて歩いてみる。意外に歩きやすかったりして驚くこともある。彼らがわたしの歩幅に合わせて歩いているときもある。そんなとき、どんなふうに感じているんだろうか。
秒針時針と言わず、人それぞれ時間の流れの速さは違っているんだろうなあ。そんなことを思い巡らせ、今日も自分のペースで仕事をし料理をしたりしている。
世界時計です。東京が午後1時のとき、パリは朝の9時ごろかあ。この時計、じつは重くて旅行に持っていったことありません(笑)
これはテーブルに置いてあるタイルです。何に使うってわけでもなく。
キッチンにかけてあるのもあります。軽井沢出張のたびにひとつずつ夫が買ってきます。お気に入りのタイル屋さんがあるそうです。
こちらは誕生日に娘が贈ってくれたあったかガウン。朝方目が覚めてベッドのなかで本を読むときなんかに着ています。肩があったかいの。「長すぎて、ひきずる」と娘に言ったら「転ばないでね」だって。早くも年寄り扱いか(笑)
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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