「クレンジングオイルとボディクリーム、忘れちゃったんだけど、ある?」
帰省してきた娘に、洗面所で訊かれた。
「両方とも、使わないからないなあ」
そう答えて、驚かれる。
「クレンジングオイル使うほどきっちり化粧してないからフェイシャルソープだけで十分だし、ボディクリームはほぼ使ったことない」
「そっか、エアコン使わないから、肌も乾燥しないんだね」
「冬に、足にだけ塗るクリームならあるよ」
乾燥したらその部分だけケアすれば、OKだと思っていた。
けれど娘によれば、風呂上がりにボディクリームを塗り、お肌がカサカサにならないように保湿するのが女子の常識らしい。
自分が、女子力低い、田舎のおばちゃんなのだと再認識する。
ところがきのう、東京の母に年明けの挨拶に行った際、宿泊したホテルの部屋で、いつになく手足の指が衣類にひっかかる、これぞ「乾燥」だと言わんばかりの空気に驚いた。
これでは、ボディクリームも必要となるわけだ。
ところで、クレンジングオイル。
「ないなあ」と探すわたしに、娘は言った。
「じゃあ、オリーブオイルでいいよ」
「オリーブオイル?」
「オイルには変わりないじゃん。オーストラリアでワーホリしてたとき、いつもオリーブオイルでクレンジングしてた」
にわかに信じがたかったけれど、これも実際、食用オリーブオイルを使う人もいるらしい。
やれやれ。田舎のはりねずみには、理解が追いつかない。
ホテルに飾られていた松飾り。立派ですね。「川鶴」は、香川県観音寺のお酒だそうです。
ホテルの部屋には、クレンジングオイルもボディクリームも、ありました。使ってみたら、甘くまったりした香り。無花果でした。
写真はありませんが、母はとても元気にしていました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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