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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

たいへん!

「たいへん!」

中ちゃんが、顔色を変えて大きな声を出した。

「ああっ! 飛んでっちゃう」

小ちゃんも、たどたどしい口調で、しかし呆然といった様子で立ち上がる。

「あああああっ!」

大ちゃんが、慌てて階段を駆け上り戻ってきた。

「奥まで押し込んで!」

「うん!」

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

「ああっ! また、飛んでっちゃう」

 

久しぶりに、ままごと遊びを眺めた。

週末、「おちゃのじかん」で夫とランチしたときの出来事だった。

ツリーハウスやいくつものテラス席があるカフェで、3人の女の子が遊んでいた。たぶん3歳(小ちゃん)、4歳(中ちゃん)、5歳(大ちゃん)くらいだろう。

2組のご両親は、のんびりと見守っている。

大ちゃんと、小、中姉妹は、初めて出会ったのかもしれない。

3人が慌てていたのは、おもちゃのカップにアイスクリームのようにふんわりと盛りつけたたんぽぽの綿毛が風に舞ったからだ。

大ちゃんの提案で、テラスに咲くハルジョオンやたんぽぽ、クローバーなどで飾りつけられたカップに最後に綿毛をのせて完成させようとしていた。

そのとき、まるで風がいたずらするかのように吹いたのだ。

「可愛くてしょうがないから、からかってやるか」

などと笑いながら。

 

そうだった、と思い出す。

大人になると、「たいへん」なことは山ほどあって、彼女たちの「たいへん」は、とても些細なことに思える。実際わたしも微笑ましくて笑ってしまった。

けれどこういう「たいへん」を、真剣に「たいへん」だと思える時間って、なんて素敵なのだろう。

風と遊んでいた3人の少女たちは、大人になってからこの時間を思い出すことがあるだろうか。

ここで、遊んでいました。写真真ん中辺りに、道へ降りる階段があります。(これは去年の写真)

わたしは、ベジプレートを。ヴィーガン料理が美味しいカフェなんです。

夫は、豆と野菜のスープセット。テラス席が気持ちよかった。

ままごと遊びを眺めながら、食後にルイボスティーをいただきました。

夫は、バスク風チーズケーキと珈琲を楽しんでいました。

 

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PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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