年末年始、よく麺類を食べた。
うどん、蕎麦、にゅうめん。
ひとりランチには、手軽な温かい麺ばかり。
なかでも、にゅうめんがやたら美味しく、リピートしていた。いただきものの小豆島の素麺があったから、そして1分半で茹だるお手軽さからだ。
にゅうめん。
平仮名でかいたその字面だけで、もうすでに温まりそうな温度を持っている。
初めてこの名を聞いたときには、なにか不思議な感じがした。
うどんも蕎麦も、冷たかろうが熱かろうが同じ名前なのに、素麺に限って熱いものを「にゅうめん」と呼ぶ。その特別感がおもしろかった。だからこそ、冷たいものを「冷やし素麺」と呼ぶのだろう。
にゅうめん、漢字でかくと「煮麺」は、奈良(大和地方)発祥だそうだ。
ちなみに、日本3大素麺は、こちら。
①三輪そうめん(奈良)そうめんのルーツとされ、三輪山が御神体の大神神社の周辺に「三輪そうめん製麺所」が密集している。
②揖保乃糸(兵庫)全国的な流通とブランドを誇り、三神(さんしん)は神業的な超極細麺。
③島の光(香川)小豆島そうめん。特産の胡麻油、瀬戸内の塩を使った手延素麺。
そのほか、島原そうめん(長崎)、半田そうめん(徳島)と、見事に西日本から南だ。
そのなかでもっとも親しみがあるのは、揖保乃糸。
神戸出身の夫は、素麺といえば揖保乃糸である。結婚当初は、義母がいつも送ってくれていたので素麺を買う習慣がなかったほどだ。
そういえば、その揖保乃糸。ここ数年食べていない。
ちょっとなつかしくなったけれど、この寒い時期に、麺類にしてはちょっと高価な揖保乃糸を、わざわざ買って食べるほどでもない。
暑い夏、食べたくなった頃に思い出すだろうか。1年後に、ふたたびにゅうめんをすすり、思い出すような気もする。
ひとりランチに温まったにゅうめん。
紫の水菜と葱、卵と柚子で、栄養満点。
いつも、冷蔵庫にあるものを入れていました。この時期は柚子を常備しているので、香りがうれしい。
冷凍の鍋焼きうどんも、美味しかった。
栄養満点、というよりカロリーが気になる感はありますが。
「最&強どん兵衛」も食べ比べしました。
きつねうどんに、仁淀川の粉山椒をたっぷり。
かき揚げ蕎麦の方が、わたし的には好みでした。
けれど、12月最終週には「最&強」バージョンのどん兵衛、スーパーの棚から姿を消していました。カップ麺商戦、年越し蕎麦の時期は力が入っていたのでしょうか。
上京したとき、甲府駅ナカで食べたかき揚げ蕎麦。30分の特急あずさ待ちには、ちょうどいいランチです。
写真はこれ1枚しかありませんが、大晦日恒例、夫が打った蕎麦。めちゃうまでした。やっぱり打ち立ては違う!
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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