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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

はりはり鍋~油揚げを味わう

「吹いてるよ」

朝、夫がリビングで言った。テレビでは天気予報がやっていて、晴れて花粉が飛ぶという。

「え、なに? 春一番?」

キッチンで朝食の目玉焼きを焼きながら、答える。

「あ、鍋か」

テーブルの上で、はりはり鍋が吹いていた。

同時進行料理中あるあるだ。

 

「はりはり鍋」は、神戸出身の夫に教わった。

結婚した頃、37年前には、関東地方で水菜はまだスタンダードな野菜ではなく、京野菜のイメージ。関西ならではの野菜だった。

水菜が手に入ると、「はりはり鍋」だった気がする。

 

『鍋の天下一品』を開くと、「はりはり鍋」ももちろんあった。

かつては鯨が主役の庶民的なシンプル鍋が今では相方の水菜が主役で人気再来

鯨の「はりはり鍋」は一度も食べたことがないが、本来は鯨と水菜の鍋だと、やはり夫に聞いていた。

鯨が手に入りにくくなり、油揚げに取って代わったということも。

それが、いつからか我が家では、鶏もも肉&水菜の組み合わせとなった。子供たちが育ち盛りだった頃だろうか。末娘は、この鶏肉の「はりはり鍋」が好きで、ふたりでの夕飯が増えた彼女が高校生だった頃、よく登場した。

 

ふたたび、油揚げでということになったのは、いつものスーパーで買う鶏肉が変わってしまったからだった。価格高騰の風が吹いたのだろう。

歳をとったからか、この油揚げを味わう「はりはり鍋」がびっくりするほど美味しく感じられたのだった。

春一番が吹いていた(笑)朝のハリハリ鍋。

ハリハリ鍋をお味噌汁の代わりにした朝食。

油揚げは、ちょっとグレードアップしたものを選び、大きめに切りました。

胡椒たっぷり目玉焼きともやしと人参のナムル。

蕗味噌も、ラストになりました。ありがとう、庭のふきのとうたち。

『鍋の天下一品』では「はりはり鍋」は、「日本人に生まれてよかった! 絶対マスター定番鍋」17のなかで4番目に入っていました。油揚げが大きい!

我が家は、この鍋の調味料に砂糖も味醂も使わないので、まったく違う味なんだろうな。

 

☆シミルボンサイトで連載中【『鍋の天下一品』で、鍋を楽しむ】

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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