ご近所さんに土産にといただいた「よこすか海軍カレー」。レトルトカレーの土産というのも、手軽で洒落ている。

「でもこれ、1人前ってかいてあるよ」

「じゃ俺、ひとりの昼にでも食べるわ」

そう、相談がまとまった。

さて。そんな別々のお昼。たがいに午前中出かけていたのだが、偶然帰宅時間がぴったり合い、ふたりでキッチンに立つ。

「あれ？　2袋入ってる」

箱を開けてみたら、レトルトの白い袋が2つ。

よくよく箱を見てみると「調理方法（1人前）」とある。2人前とはどこにも記載がないがしっかりかいてあった「内容量210ｇ×2」。

「なんだ～、一緒に食べればよかった」

わたしはサンドイッチを買ってきてしまったので、珈琲を淹れて、横目に「よこすか海軍カレー」を食べる夫を眺めた。

おかしいな、とは思っていた。箱が重い。そりゃそうだ。2人前なんだから。けれど、きっと特別なのだろうと思ってしまった。なにしろ「よこすか海軍カレー」なのだから。1人前の文字だけが目に残り、判断を狂わせたのである。

こういう思い込み、最近とみに増えたよな～と苦笑いしつつ食べた「よこすか海軍カレー」は、ひと味違う味わいだった。牛肉とマッシュルームが入っていて、かすかに異国情緒を感じた。

インド発祥といわれるカレーは、イギリスで高級インド料理として定着し、それが日本に渡って日本流のカレーへと進化を遂げていったらしい。

レトルトの箱の裏にも、こんな記載があった。

明治時代、英国海軍ヲ範トシテキタ日本国海軍ハ「軍隊食」ニ「カレー」ヲ取リ入レタリ。

多くの人が栄養が足りない状態にあった戦時下で、肉も野菜もカロリーも摂れるカレーは大切なメニューだったのだろう。

しっかりした箱でした。

開けたら、2袋入っていてびっくり。2人前って、かいといてよ～

こちらは、ひとりの夕餉にわたしが食べた分。

冷凍しておいたとうもろこしご飯が、カレーによく合いました。