今年も、赤ぶぞうくんの季節がやってきた。
横森ぶどう園を取材したのは、もう4年前になる。
【ぶどう作りはアートだ!極上のぶどうなら「フォレストサイド横森ぶどう園」へ】
それ以来季節が来れば、トレードマークの赤ぶぞうくんを目印に産直野菜売り場へ買いに走っている。
「葡萄」は、秋の植物の季語。傍題には、品種の「デラウェア」「マスカット」「巨峰」「ピオーネ」などもあり、また「葡萄棚」「葡萄園」「葡萄狩」など木に生った状態のものもあり数多い。
葡萄食ふ一語一語の如くにて 中村草田男
大きな粒の葡萄だろうか。大事な言葉を探すかのように一粒一粒大切に食べている様子が目に浮かぶ。
雨に剪つて一と葉つけたる葡萄かな 飯田蛇笏
一枚だけ葉っぱをつけた葡萄の房。雨にしっとり濡れている。
また「青葡萄」は、夏の植物の季語。熟れる前の食べられない葡萄もまた、季語なのである。
澄むものはたやすく濁り青ぶだう 友岡子郷
澄んだ心を持つ人は、濁ってしまいやすい。若い青葡萄のように。というのは、深読みだろうか。
子にだけは唄ふ父なり青葡萄 能村研二
「青葡萄」の句は、取り合わせがほとんど。食べることはもちろん、葡萄を栽培していなければ手に取ることもほとんどない、眺めるだけの風物詩だからだろうか。
また、親しみのある木が葉を落とした姿を指す冬の季語「名の木枯る」の傍題に「葡萄枯る」がある。
機関車の煤降る葡萄枯れし軒 木村蕪城
軒に葡萄棚がある家も、むかしは珍しくなかったのかもしれない。
今は、品種改良でほとんどが種なしになり、種類も豊富だ。掲句が詠まれた頃とは、人と葡萄の関係も様変わりしているに違いない。
毎年、スタートはデラウェアから。
子供の頃は、葡萄といえばこれだった。
取材したときの、デラウェアの写真。
2番手は、ブラックビート。「ブラックビート」も季語になるのかな?
すっきりした酸味が魅力の優しい甘さの葡萄です。
購入した「あけの農さん物直売所」。
3日前。産直の向かいのひまわり畑は満開でした。
向日葵の下に現れ隣の子 林博子
「明野サンフラワーフェス2024」も、明日25日までです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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