夫の神戸の友人で、毎年美味しいお肉を持ってバーベキューにやってくる「松竹園」の焼肉をお取り寄せした。
届いたのは、アバラ(カルビ)、ハラミ、ハツ、ミノ、タンで、タレも漬けこむ調味ダレと卓上でつけて食べるつけダレの2種類ある。
さっそく、お家で「松竹園」だ。
「今夜は、肉だけでいいね」
と、あり合わせの野菜を用意し、薪ストーブで炭をおこし、卓上七輪をセッティングした。
焼き始めると、口をついて出たという感じで、夫が言う。
「松竹園の味だ」
「ほんとだ。うちの塩振って焼いてるだけなのに」
最初に焼いたのはタン塩で、ついていたタレも使っていない。それなのに、たしかに松竹園の味がした。肉はさばき方でまったく味が変わってくるというから、ほかの焼肉屋で食べたものと違うのだろうが、舌がきっぱり覚えていたことに驚く。
次に、アバラをタレに漬けて焼いた。
「これはもう、松竹園の味だ」
「松竹園そのまんまだね」
秘伝のタレだそうだ。ほかでは味わえない。
「ビールも、松竹園にいるみたいにすすむなあ」
わたしの言葉に、夫がツッコミを入れる。
「それは、言い訳だな」
こんなふうにお家で「松竹園」の夜は更けていった。
なかなか帰れない神戸に、しばしワープした夜だった。
二人前でとオーダーしました。アバラ(カルビ)、ハラミ、ハツ、ミノ、タン。約半分で、これくらい。ふたりでぺろりといただきました。
まずは、タン塩レモンから。
アバラを、タレと塩とで。
ミノを塩レモンで。タレに漬けて焼いてもイケます。
ハツって、こんなに美味しかったっけ?
ハラミです。タレがまた最高でした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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