読んだばかりの『三人屋』に、”お米の浸水時間”という言葉が出てきた。
失踪した姉、夜月の代わりに、昼のうどん屋のほかにスナックまでやることになってしまったまひると朝日。それでもやるからには夜月に負けないご飯を炊きたいと奮闘するが、客はみな「美味しいけど、違う」という。ネットで美味しいお米の炊き方を調べ、いいということはすべてやってみたというのに。
「じゃあ、お米の炊き方は?」
今度は、朝日が尋ねる。
「お米? 普通よ。研いで浸水なしで、米と水は同量」
「浸水ゼロ分? 水と米、同量? そんなんで固くないの」
「毎日精米しているから大丈夫」
それだけのことなのか。
妹たちは絶句する。姉の炊いたご飯は、なにも特別なものではなかった。
しかしそれを読み、「浸水時間ゼロ?」と眉根を寄せたのは、わたしだ。
毎晩精米し、一晩研いだ水に漬けておく。ずっと、そうやって炊いてきた。
ゼロ? ありえない。でも、やってみたい。
ということで、やってみた。
毎日精米はしていないが、店頭に並ぶ前の新鮮そのものの新米だ。夜月のご飯が食べられるのでは?
ということで、浸水時間ゼロで炊いた。
うーん。美味しいけれど、やっぱり芯が残っていて固かった。水に漬けておく工程は省けない。
浸水時間なしで炊いた新米です。
美味しいけれど、芯が残っていました。
買ってきた餃子を焼いた簡単ランチも、新米が主役です。
☆浸水時間は、30分から2時間のなかで好みの時間を模索するのがいいみたい。
でも、朝起きてすぐ炊きたいから、寝る前に研ぐことにしています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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