冷えきった薪ストーブに火を一から入れるとき、同じように薪を組み火をつけてもなかなか燃えないことがある。薪が違うのだから、しょうがない。
そんなとき、小さな木っ端ひとつがきっかけとなり、勢いよく燃え始めることも多い。
薪を運びながら、庭に落ちた木っ端を拾い集める。この木の切れ端が〈きっかけ〉となってくれる瞬間を思い描いたりしながら。
小さなきっかけは、思わぬところに潜んでいて、それは火だけではない。
雪まくりも大自然のなか、そよと吹いた風のような小さな小さなきっかけがもとになるらしいし、人の感情も小さなきっかけで好転したリ暗転したリもする。
薪運びを終えた休日。
「疲れちゃったから、昼寝しようかな」
と眠気に誘われるまま夫に言うと、ふきのとうを探そうという。そういえば、今年は早いとネットに写真が載ってたっけ。
じゃあ少しだけ、と落ち葉をめくると、すぐに見つかった。
見つかったどころではなく、あるわあるわ、ごろごろと出てくる。去年、移植した場所が良かったようで大きな蕾を固く結んでいる。
それから小一時間、ふきのとうを探しながら落ち葉を集め、庭仕事に精を出した。いつのまにか眠気は飛んでいた。
小さく土の上に顔を出したふきのとうが、わたしに庭仕事をさせたのだった。
ただの食い気? 人間はやっぱり欲で動くのかな。
昼間からガンガンに燃やしています。
ウッドデッキに運んでおくと雨や雪の日も便利なので、休日に夫と運びます。
枯れた芝生の上に落ちた薪の端切れ。
庭に出てきたふきのとう。
丸いのは雌花だそうです。
去年移植したところにいっぱい出てきて、うれしいな♡
豊作~♩
きれいに洗って。
天麩羅に。塩でいただきました。苦みが濃い! 美味しい~♩
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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