地もとの方に誘っていただいて、夫がきのこ狩りに行ってきた。
町内の山を、雨上がりの午後に歩く、楽しい散策だったという。
収穫は「クリタケ」と「クロット」というきのこだった。
「クロット」は、クロとつくだけあって、黒っぽいきのこだが、「クリタケ」は、なめこのような明るい茶色の丸い笠がキュートな、見るからに美味しそうなきのこだ。大きさは、シメジの倍くらい。きのこハンドブックにも、こうある。
キノコ狩りが初めての人でも、これを見つけたら食用になると直感するだろう。
けれど、ご用心。
「ニガクリタケ」という「クリタケ」によく似た毒きのこもあるという。「クリタケ」より黄色っぽく噛むと苦い、とある。死亡例もある毒性の強いきのこだ。
「クリタケなら、ひとりでも、もうわかるよ」
夫は自信満々にそう言っていたけれど、きのこはやはり達人に任せたいというのがわたしの見解だ。
とはいえ、秋の味覚。満喫させていただきました。
左上が「クロット」です。「クリタケ」は、いっぱい。
「クロット」は裏は白いんです。
「あしなが」とも呼ばれるという、石突きの長い「クリタケ」。この石突きの食感がまた、味わい深い。
洗うと、つやつやできれい。
茹でて薄切りにした「クロット」は、アワビにも似ています。
アドバイスに従って、大根おろしにお醤油で。
その夜はチゲ鍋だったんですが、「クリタケ」は、濃い味にも負けていませんでした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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