あかぶぞうくんのピオーネが、美味しい。
すっきり甘く皮まで楽しめるシャインマスカットも、濃厚なしたたる甘さの巨峰も美味しかったけれど、これはまたベツモノの美味しさだ。
贅沢だと思いつつ、なくなると買いに走ってしまう。
身体が欲しているかのように感じる、自然で素直な美味しさがある。
ピオーネは、巨峰とマスカットとの交配により作られた品種で、黒葡萄の一種。巨峰の甘さとマスカットのさわやかさとを兼ね備え、「黒い真珠」とも呼ばれている。
語源は、イタリア語の「開拓者」pioniere(ピオニエーレ)で、英語では pioneer(パイオニア)に当たるそうだ。
葡萄の品種改良に力を注いだ研究者たちの、熱い思いを感じられるネーミングだ。
それもそのはず。ピオーネを開発した研究者、井川秀雄は、1000種類以上の葡萄を育種したという。明治時代に生まれ昭和を生きた彼の言葉が、石碑に刻まれているそうだ。
誰がなんと言っても やって見なければ わからない
井川秀雄
研究に情熱を注ぐ人がいて、それを毎年いかに美味しくと考えこだわりつつ実らせる農家さんがいて、それを大切に売る販売店や人たちがいて、こうして我が家の食卓へとピオーネはやってきたのだった。
今シーズンは、葡萄をたくさん食べました。
ピオーネ。大粒です。
食べかけですが、アップにしてみました。
こちらは、ピオーネのまえに出ていた巨峰。これも美味しかった。
デラウェアから始まった、ぶどうシーズンでした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。