卓上七輪で、適当に何か焼こうか、という夕餉。
焼き鳥や帆立、ホルモンなどのほかに、肉厚の生どんこを買ってみた。
これまでもスーパーの店頭で目にして、生なのに「どんこ」? とその辺りを歩くたび、クエスチョンマークを浮かべていた。
「どんこ」といえば、干し椎茸のなかでも高級品。と、勝手に思っていたのだが、違ったのだろうか。
「どんこ」という名は、干し椎茸発祥の地、中国で「冬菇(ドォングゥー)」(冬に収穫する椎茸)と呼ばれていたところからきたという。
その「どんこ」と呼ばれる干し椎茸の条件は、「笠が開ききる前に採った生しいたけを乾燥させたもの」。笠が開いて薄く広がるまえだから、ころんと丸くて、肉厚で、弾力があるそうだ。
ちなみに、表面に亀の甲羅のような白い亀裂が入っているのは希少で、高値がつくらしい。
生どんこには白い亀裂がはっきりと入っていて、どんこを調べるまえから「あ、どんこっぽい」と思っていた。この亀裂に味がしみこみ、薄味でも旨みをしっかり味わえるとか。
炭火で焼き噛みしめると、肉厚のやわらかな笠からジュージーな肉汁とも言える旨味が口のなかに広がった。
「ホクトのきのこ」といっても、北杜市ではなく長野県産。「一番採り生どんこ」というネーミングです。
七輪があると、それだけで温まります。
小さめの生どんこをそのまま焼きました。味付けは、醤油だけ。
ちょっと焦げたくらいが、香ばしい。めちゃうまでした。
切ると、肉厚なのがよくわかります。
バター焼きにして、醤油をちょっとたらしました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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