「大根サラダ、失敗しちゃった」
塩揉みするときに塩を利かせすぎて、洗いが足りず塩辛くなってしまった。帆立缶とマヨネーズを和えるまえに味見したのに、そこで判断を誤ったのだ。
「わ、しょっぱい」
リモートワークの途中でキッチンに下りてきた娘に味見させると、顔をしかめた。
「どうしようか」
「洗うしかないんじゃない?」
「でも洗ったら帆立缶の旨味が流れちゃうし、もう帆立缶ないし」
「それでも帆立の身は残ってるんでしょ。だったら洗ってみたら」
「そうだね、これじゃ食べられないもんね」
結局和えた帆立缶とマヨネーズの味をすべて洗い流し、何度か繰り返して塩抜きした。帆立の旨味はたしかに薄くなったけれど、マヨネーズで和えるとまあまあの味。冷蔵庫にあった竹輪を刻んで、ほんの少し旨味アップ。いつもとは違う味だけれど、事なきを得た。
娘にこういうことを相談できるようになったのかと、そして、そのアドバイスの仕方がわたしに似ていることに、うれしくなった。
千切りは面倒くさいという彼女だが、よく食べてくれるので作りがいがある。
海老グラタンがメインの夕食でした。
大根サラダと、トマトとブロッコリー。
よく見ると、竹輪が入っています。でも、食べられてよかった。
産直野菜売り場で買った南瓜。大きな南瓜丸々1個が傷アリ半額の150円でした。ホクホクしていて秋の味。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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