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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

安心しているときこそ要注意

クリスマスイブの夜、ステーキを焼いた。

「ホットプレートで、焼こうか」と、夫。

「いいね」と、わたし。

夫婦二人の食卓だが、テーブルでステーキを焼き、ワインで乾杯した。

子ども達が幼かった頃、イブと言えば気忙しい思いをしていた記憶しかないが、それはそれで楽しかった。だがやはり、のんびりと過ごせることにホッとしている。せかせかするのは性に合わない。もともとわたしの時間は、のんびり設定になっているのだろう。

なので安心していた。ただのんびりと肉を焼き、食べ、ワインを飲んだ。

 

しかし、すっかり食事が終わった頃、夫が言った。

「あ、あのさ。シチュー作ったって言ってなかったっけ?」

「ああっ!わ……、忘れてた」

夫にリクエストされ、白菜をたっぷり入れた野菜のシチューを、スープ代わりに煮ておいたのだ。

「もう、お腹いっぱいだよね?」

「いただきますよ」

夫は食べてくれたが、すっかり忘れていた自分に落ち込んだ。安心しているときに限って、こういうことをやってしまうのだ。

 

顕著な例で言うと、電車に乗ったことで安心して降りるのを忘れる。

ジョークのようだが、若い頃からよくやった失敗だ。乗れた、よかったと本を開いて読み始めてしまい、乗り過ごす。

イブの夜もシチューを煮たことで、安心しきっていたのだ。

そう言えば、息子が3歳くらいの頃だったか。彼は悪戯が激しかったのだが、わたしは「ダメだよ」と言い聞かせるとそれで安心してしまうところがあった。その隙に彼はふたたび同じことをした。どうして判らないんだろうと、そのときには思ったのだが、逆だった。彼は判っていたのだ。母が安心して気を抜いていることを。子どもって、大人をほんとうによく見ている。まったくあなどれないと思いつつも、何度も安心している隙を突かれていたのを苦々しく思い出す。

 

安心しているときこそ、気をつけなくてはならないのだ。そうは言っても、ふたたびみたび、忘れちゃうんだよなあ。

cimg3353

牛肉を料理することはほとんどないのですが、たまに食べると美味しいですね。

cimg3365翌朝ブランチの食卓です。野菜たっぷりシチューと残り物の温野菜とオムレツ。

大根の葉っぱとしらす干しの炒め煮は、常備菜です。

cimg3341夫の社内研修土産の初島の塩辛があったので、ご飯がすすみました。

 

COMMENT

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  1. papermoon より:

    さえさん、おはようございます♪

    私も同じようなことをしているので、他人事ではないと思って読みました(笑)
    ホントに安心しきっている時は要注意なんですよね。
    安心しきっている時は何も考えていない状態が多いような気がします。
    焼き飯を作ったのにご飯を新たに炊いてしまったりとかよくします。

    ホットプレートでのステーキ楽しそう!
    家族それぞれが自分の好きな焼き具合で焼いてくれると楽ですよね。

    • さえ より:

      papermoonさん
      こんにちは~♩
      わ~papermoonさんもですか~うれしいです。炒飯とご飯ダブル!癒されます~。
      安心してるって、たぶんおっしゃる通り何も考えてない状態なんですね。
      ホットプレートは、何でも焼けるし、楽しいですよね。
      ほんと、焼き具合を見ながら焼けるし。今は夫婦二人なのでホットプレートを出す機会は減りましたが、たまにはいいですね♩

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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