御節はすべて手作り、などという立派なものではないが、お煮しめだけはひとつひとつの野菜をていねいに煮ている。
毎年同じ手順で同じことをするわけだが、使う野菜は大きさや形が変わったり。今年は蒟蒻も、手作りのごつごつしたものを選んだ。いつもより少し大きめだ。
蒟蒻を塩で揉み、細い箸でいくつも穴を開け、下茹でする前にスライスする。その際、いつもと違う大きさに感覚が狂い少し厚めになってしまった。途中まで切って気がついたのだが、そこで厚さを変えるのも可笑しいような気がしてそのまま切っていった。
そして、煮あがった大きくて厚い蒟蒻を見て、思った。
「やっぱり途中でも、もう少し薄くすればよかったな」
味はしっかり浸みていて、美味しくできたことに変わりはなかったが、こだわりというものがわたしにもあるのだ。
キッチンに立ちながら、不意に昔のことを思い出した。
教習所に通っていた頃のこと。順調に進んでいたのだが、仮免の試験で落ちた。その落ち方がけっこう派手だったので、よく覚えている。カーブを曲がるときにポールを5本倒し、見事不合格。そのとき教官に言われたのだ。
「1本倒して引き返していたら、点数的には合格だったよ。残念だね」
ああ、失敗した、と思ったときに一度止まる。引き返した方がいいのなら引き返す。そう学んだはずだったのに。
失敗したなと思った時点で、一旦止まって考える。それって、とても大切なことだ。毎年同じことをする御節作りだが、今年は新しい年が始まる前にそんな教訓めいたことを思い出させてくれた。
御節です。このほかにも、なますを作りました。
蒟蒻は、御節のときだけ手綱にします。
子どもたちが小さい頃は、よく手綱に結んでもらいました。
高野豆腐の切り方は、義母に教えてもらいました。
ガスコンロだけじゃなく、薪ストーブも活躍しました。
☆今年も、日々の小さな出来事を綴っていこうと思います。
よろしくお願いいたします。
明けましておめでとうございます
さえさん、今年もよろしくお願いしますね (^_-)-☆
教習所での失敗、私もまるっきり同じことして落ちたんです。(^^ゞ
そっくりだったので、思わず笑ってしまいました。
私は今も学習できないで、エイ!とばかり行っちゃうタイプなので、
今でもよく失敗するんですよ~(>_<)
性格かな?一生このままなんだと思います。(*_ _)
ユミさん
あけましておめでとうございます
こちらこそ、今年もよろしくお願いします♡
わ~、おんなじですか。こんな失敗する人いない―ってずっと思っていたのでうれしいです。学習しても繰り返し忘れちゃうんですよね、いろいろ。わたしもよく失敗します。一生このままなのかな(笑)
あけましておめでとうございます。
おせち、きちんとされていますね。
煮しめはそれぞれ別々に炊くのがいいですね。
私は、一緒に炊くのですが・・れんこんにニンジンの色が
移ってしまい・・私も懲りずに失敗してます(笑)
こんにゃくの手綱は意外に難しいですよね。
切れ目を入れすぎると、うまくひっくり返せなかったり
途中で切れたり・・・。それも、手作りならではですね。
研ぎ澄まされたさえさんの感性を、今年も楽しみにしていますね。
どうぞよろしくお願いします。
ぱすさん
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いしまーす♡
1年に一度のことと思って、お煮しめだけはひとつひとつ煮ています。一緒に煮るのもまた互いの味が交わって美味しいですよね~。
ほんと、きれいな手綱にするのは意外と難しいんですよね。
わたしもぱすさんのブログ、楽しみにしています♩
そうそう。年末のタオルを替えるのもおんなじだな~と思って読んだんですよ~
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。