今年の初め、ほんとうなら近所の人たちがやっている味噌造りに初めて参加する予定だった。
しかし、夫が両膝を手術し、入院。
参加はあきらめたが、そのあいだに作った味噌を届けてもらい、ずっと玄関の土間に置いていた。途中、水分や黒くなった部分、白くなった部分を取り除くくらいで、ほとんど何もしていない。
何もしていないが、その味噌がそろそろ食べられると訊き、開けてみた。
なかの方を掬って食べてみる。美味かった。
「手前味噌」という言葉に、ちょっと憧れていた。
自家製味噌が美味しくて、自慢する言葉だと思っていたからだ。だが、違っていた。
【手前味噌】てまえみそ
自分で自分のことを誇ること。自慢。 デジタル大辞泉より
無論、自家製味噌を自慢するときにも使えるのだが、単に「自慢」する意味なのだった。味噌以外でも使えるけれど、あまり使いたくはない、うまく使えそうにない言葉だった。
造っていただいた味噌は、ほんとうに美味しく、自慢したいほどだが、もちろん手前味噌ではない。
近所の方たちに感謝して、毎朝味噌汁にし、ときには厚揚げを焼いてつけたり、野菜につけたりして楽しんでいる。
来年の2月には、味噌造り、一から教えてもらおう。
お借りした大きな樽に入れて、届けてもらっていました。「味見をして美味しいと思ったらもう使える」と言われ、底から混ぜる「天地返し」をして、家にあった容器に移しました。
たっぷりあります。
使いやすいように、大きめのタッパーにも入れました。
うちの味噌というのはおこがましいのですが、初お味噌汁の朝ご飯。
日々、美味しくいただいています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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