苺を洗って、朝食のあとに出した。

「朝の果物は、金だよ」

子どもの頃、母がよくそう言っていた。じつはヨーロッパの諺で「朝の果物は、金。昼は、銀。夜は、銅」と言われているのだとは、大人になってから知った。

すると夫から、意外な答えが帰ってきた。

「東京オリンピックまで、あと3年かあ」

「なんで、突然オリンピック？」

「いや。金って言うからさ」

「金は金でも、金メダルかあ。連想ゲームみたいだね」

夫は朝刊を読んでいて、オリンピック関連の記事が載っていたらしい。新聞を読みながらだと、同じ会話をしていても、流れはニュースの方へと向かっていく。

家族だと、新聞を読みながら、テレビを見ながら、本を読みながら会話をすることも多くなる。どうして突然その話？　とギョッとしたり、会話が食い違ったりする経験は誰もがしていることだろう。

家族って、日々すれ違いながら、一緒に暮らしているんだよなあとよく思う。そのくらいがちょうどいいんだろうな、とも。もともとの性格も、興味の向く方向も違うんだから、しょうがない。

それでもまあ、朝一緒に食べたみずみずしい苺に、夫も同じように春を感じているんじゃないかな。朝の果物は、金メダルとか思いながら。

熊本産の苺でした。苺が美味しい季節になりましたね。

不知火のでこぽん。「でこぽん食べる？」は、わたしの口癖のひとつ。このあいだドラマ『カルテット』を観ていてこのセリフが出てきて、夫婦でウケました。

ある日の朝ご飯。長野土産の蕗味噌と、味噌汁には青梗菜がたっぷり。

ミネストローネを煮た翌朝は洋風で。サラダにはほうれん草のお浸しも入れて。