東京の実家で、87歳の母とランチをした。
わたしが帰るときには、決まって京樽の海鮮ちらしを頼まれる。
母が暮らす都営住宅は、駅から徒歩5分。駅前にはダイエーが入った小規模なショッピングモールや、京樽や不二家や餃子の王将などが並ぶビルや、大きめの本屋などがあり、とても便利な場所だ。
母娘ふたり、同じ海鮮ちらしを食べながら、母の近況を聞いた。
電話で「忙しくて」と言っていたのが気にかかっていた。
それなのに、今週も来週も買い物を頼んでいるヘルパーさんが、同じ曜日に来るだけで何も予定は入っていないという。
春にケアマネさんが代わったのだが、まだ会っていないというので、来週来てもらおうと言うと、しかし乗り気ではない顔だ。
「火曜日はヘルパーさんが来るし、水曜は宅急便が届くの」
どちらも家にいられる用事だし、ヘルパーさんはケアマネさんと同じ事務所から来るのだから、問題ないはずだ。
そう諭しても、首を縦に振らない。
そこで、神戸の義母が言っていたことを思い出した。
「ヘルパーさんが来る日は、緊張するのよ」
週にひとつ、ふたつ予定があるだけで、いっぱいいっぱいなのかと不意に納得した。「忙しい」というのは、気持ちが忙しいのだろう。
結局、週末に訪問してくれることになり、母もホッとした様子だった。
歳をとると「教養と教育」が必要になると、ユミさんのブログで知った。
教養=今日、用がある
教育=今日、行くところがある
それで、気持ちに張りが生まれるのだという。
けれど、来月米寿を迎える母には、教養も、教育も、重荷になってきたということなのだろうか。
東京での空き時間に、ひとり飲んだ珈琲。エチオピアのゲイシャ。いい香り。
細長いカウンターをひとり占め。ブルーのタイルに落ち着きました。
「すずめ珈琲」です。
エチオピアのゲイシャ、豆で買って帰りました。
中煎りなので、いつもの豆より色が濃いです。
一投目。よく膨らみます。
おかわりできるくらい、たっぷり淹れました。
うちの母もヘルパーさんが週に2日ほど入ってもらってた時期がありました。
だいたい3人のヘルパーさんが交代して来てくれるんだけど、相性もあってか、
あの人は話しやすい、あの人は嫌やねん、とか言うようになって、しばらくしたらヘルパーみんな断って、そして鬱になった時がありました。
今は施設で、職員の方とも仲好しになって、以前のように嫌とかあまり言わなくなったけれど、
やっぱりヘルパーさんであろうと、家に他人が入るのは気を使うと思います。
ほんとに緊張するんでしょうね。
ヘルパーさんも同じ方がずっとだと母も慣れたのかもしれません。
お母様もリラックス出来て、慣れてくれればいいですね。
教育と教養は、たしかにシニアの元気な秘訣だとは思いますが、キャパ越にならないようにしなくちゃいけませんよね。
介護職やってたので、思うんですけど、シニアは何でも慣れるのにも時間がかかると思います。
そしてさえさん、リンクありがとうです~
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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