コロナ禍、我慢していたことのひとつに〈うつわ巡り〉がある。
沖縄のやちむん巡りをしたのは、ぎりぎりコロナまえ。
それから、当然だが3年が経つ。そういう旅の仕方があることすら忘れてしまっていた。
それが、友人と「表参道うつわ巡り」を計画したことで、はたと思い出した。
調べれば、茨城県の「焼き物の里、笠間」は、東京から1時間ちょっとで行けるのだった。
もう一泊して、うつわと対話してこよう。ひとり多治見を旅したのだって、もう6年以上前のことだ。たまには、ひとり旅もきっといい。
上野駅から「特急ときわ」で1時間10分。ひとり「焼き物の里、笠間」の入口JR友部駅に降り立った。
あいにくの雨予報だったが、午前中はなんとか持ちそうだ。
笠間観光周遊バスで、まっすぐホテルに向かい、荷物を置いて歩き始めた。
笠間には、うつわのギャラリーが点々と続く「ギャラリーロード」、陶芸工房が店を出し陶芸体験もできる「やきもの通り」、小さな工房が並ぶ「陶の小径」がある。
ほかに「笠間工芸の丘〈クラフトヒルズKASAMA〉」には、若手の陶芸作家さんたちの作品が購入できる大きな店舗や、さまざまな体験ができる施設が集まっている。
周遊バスの時間を計算しつつ、ギャラリーロードから攻めていった。
一応自分のなかで、照準を定める。
「小さなご飯茶碗」ひびが入っているものを使っている。
「夫の紅茶茶碗」上の娘が持って行ってしまった。
「ペアの平たいスープ皿」かけたものを使っている。
「鍋のときの取り皿用大きめ小鉢」鍋率高い割には10年以上同じものを使い続けている。以上だ。
最初に入った「ギャラリーさら紗」で、「小さなご飯茶碗」発見。
けれど、まだまだ先は長い。ホテルの近くだったこともあり、先へと歩いた。
陶の小径でいくつかの小さな工房を覗き、ギャラリーロードで5つほどのギャラリーを歩き、バスに乗って移動。「笠間稲荷神社」を詣で、ふたたびギャラリーの扉をくぐると、そこでも「小さなご飯茶碗」が待っていた。
そのふたつのご飯茶碗の持つ雰囲気は、真逆だった。
最初に見たほうは、今使っているものと似た感じの暖色で、ご飯をよそったときに内側の模様がやさしい彩りを添えてくれる。
もうひとつは、濃紺のシュッとした感じで、内側には、釉薬が沁みてできた静かな水色が、揺らめいている。
小さな発見をした。
わたしには、気に入って使ってきたものと似たものを探したがる癖があるのだと。
そういえば、ギャラリーロードのいちばん大きな「回廊ギャラリー門」でも、昔割ってしまった大皿とよく似たタイプのものを手に取り、いいなあ、としばし眺めていた。
指針になるものがあるのは、よいことだ。
しかし、敢えて新しいものを手に取ろうではないか。
そんなふうにして、最初の買い物をしたのだった。
上野駅8時半発の「特急ときわ」で1時間10分。9時39分に、友部駅に着きました。
9時50分友部駅前発の笠間観光周遊バスに、乗りました。1dayパスポートは300円。
最初に入ったホテル近くの「ギャラリーさら紗」では、地図をもらったり回り方を教えてくださったり、とても親切にしていただきました。
ギャラリーロード中央辺りにある「回廊ギャラリー門」は、もうほんとうに数多くの器が並んでいて、ものすごく見応えがありました。
笠間観光周遊バスに乗って「笠間稲荷神社」周辺に。「zakka&cafe giieryラ・ミディ」はお洒落な雰囲気のカフェギャラリーでした。
ここで見つけたお茶碗が、これ。
いつも使っているものより、一回り小さかった。
手前の白い建物が、ランチした「庭カフェKULA」です。「笠間稲荷神社」のすぐ向かい。
内装は、アメリカンっていうかハワイアンな感じ。サーフボードも飾ってありました。
ランチの「KURAプレート」をオーダーしました。バスの時間まで、ゆったり過ごさせてもらいました。
この日のラストは「ギャラリー舞台」。ホテルの真ん前にあり、夕刻の時間じっくりうつわたちと対話させてもらいました。午後は雨に降られ、ブラウスが絞れるほどずぶ濡れになったけど、楽しかった~
こんばんは~。
見つけたお茶碗、カッコいいですね。
私は備前焼のお茶碗をずいぶん前から探していますが
気に入ったものには巡り合えていません。
時間が出来たら、備前市伊部へ探しに行ってみます。
ここは窯元とギャラリーがたくさんあるのです。♪
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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