庭の茗荷が、ようやく顔を出した。
夏の楽しみのひとつだ。
その茗荷畑の草取りをしていると、いく匹ものやわらかな薄緑も透明なちびカマキリを見かけた。
可愛い。揃って同じお母さんの卵から孵ったのだろう。
その小ささに、息を飲む。
身体が透けて見えるようなたたずまいに、妖精を見ているような感覚に陥る。
けれどどんなに小さくても、命あるものなのだ。
小さな小さな意志を持っている命たちが、庭で生まれていく。
カマキリは200匹ほどがひとつの卵から孵り、生き残れるのは半数に満たないという。弱肉強食の世界。ちびカマキリもさらに小さな虫を捕食して生きていく。
そんなサバイバルが繰り広げられている庭は、しかしとても静かだ。
初茗荷はまだ、ふたつだけ。
わさわさとした茗荷畑。これでも草取り後です。
写真は、翌日スズランの葉の上にいた子です。前日見た子たちはこの子の半分くらい。体長1㎝くらいでした。
初茗荷、大切にいただきました。焼いた厚揚げに味噌とのせて。
きのうの朝食。茄子の胡麻油炒めの味噌汁の薬味には花も入れて。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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