ヨガのお友達が金継ぎをしていると聞き、体験させてもらった。
欠けたカップや器を持っていき、一連の流れなどを説明していただいて、初めに行う「木地固め」(漆を欠けた部分に馴染ませる作業)を体験した。
接着面に漆の皮膜を作り、接着性を高めるための工程だそうだ。
欠けたマグカップ、フリーカップ、サラダ用の器を持参し、木地固めをした。
たったそれだけ、という作業だったけれど、気持ちが解放されていく。不思議だった。
大切に使っていたのに欠けてしまい、がっかりしていた器たち。
これまで、そこで止まっていたその器の時間が動き出した瞬間だった。
欠けたり割れたりひびが入った器にも、未来がある。
続けていきたいと思う気持ちに、迷いはなかった。
お気に入りのこのカップが欠けて、落ちこんでいました。
欠けたのは、こっち側の模様の方。
もうひとつはだいぶ前に欠けて、ずっと使っていなかった右上の取っ手のないカップ。
多治見ひとり旅で見つけたサラダ用の器も、両方欠けていました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。