ピントの街で過ごすようになり、一週間も過ぎると、知っている人がみな「¿Hola, qué tal?」(オラ、ケタル?)と声をかけてくるようになった。
「¿Hola, qué tal?」は「こんにちは、元気?」という意味で、「¿ qué tal?」は、¿Qué?(何?)+¿tal?(どう?)を組み合わせたよくよく使われる日常会話で、直訳すると「どんな感じ?」となる。「¿Qué tal estás?」が省略されて、広まったらしい。
その”知っている人”というのは、ペドロはもちろんのこと、写真展会場のスタッフのほか、一度食事したバルの店主やスタッフなどにも、顔を見た途端に笑顔で「¿Hola, qué tal?」と声をかけられるのだから、最初は戸惑った。
「bien, gracias」(ビエン、グラシアス)「元気です、ありがとう」が、なかなか出てこない。
言葉が出ずに、翻訳アプリを向けると、何回か食事に行ったバルの女性が笑ってこう言った。
「He dicho tener salud y con eso ya estamos bien」
「健康でいること、わたしたちに必要なのはそれだけよ」
スペインでは、「元気?」「元気だよ、ありがとう。あなたは?」「元気よ」と会うたびに挨拶を交わすのである。
一度会っただけの外国人であるわたしたちにさえ「¿Hola, qué tal?」と気づかいの言葉を向けてくれるし、別れるときには「buen día」(良い一日を)と声をかけてくれる。
それは単なる習慣なのかもしれないが、そうだとしても、とても素敵な習慣だと感じた。
「¿Hola, qué tal?」(こんにちは、元気?)
「bien, gracias,¿Y tú?」(元気です、ありがとう。あなたは?)
「buen día」(良い一日を)
すんなり口にできるようになりたいが、帰国する日は着々と近づいている。

夕方9時の夕焼け。この日は、空手教室を開いているというルイスに誘われて、空手教室を見に行きました。迫力ありました。対戦はなかったけれど、みんな真剣に身体じゅうに力をみなぎらせて稽古していました。その帰り道です。

そのあと、何度か食事した「cafeteria Oasis」で。
「健康でいること、わたしたちに必要なのはそれだけよ」と、彼女はこのとき教えてくれました。

初めてテラス席で。21時半で、この明るさです。

やっぱり、タパスは出てきます。トルティージャにガーリックマヨネーズ。

それこそ「健康に注意して」食べたいんだけど、食べるのをためらっていた「Orejas a la parrilla(オレハス・ア・ラ・プランチャ)」豚の耳のグリル。

おいしくて大好きなんだけど、ものすごく脂っこい! 食べ過ぎ注意のスペイン料理メニューです。でも一度は食べたかった。堪能しました。

日々朝食は、野菜とキウイをたっぷり摂ることにしています。

空手教室のルイスが、「KARATE PINTO」のジャージをプレゼントしてくれました。
彼はピントの歴史研究会の会長で、1年半前に、日本人写真家の夫と話をしたいとペドロ経由でお茶に誘ってくれて、初めてお会いしました。先週写真展に来てくれて「今夜、空手教室があるんだけど、見に来ませんか?」と誘ってくれました。空手は6段だそうです。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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