さて、徳島の「大塚国際美術館」。
「世界初の陶板名画美術館」と銘打ち、大塚製薬グループが、明石海峡大橋が完成した1998年にオープンした古代壁画から現代絵画まで、1,000点を超える西洋名画等をオリジナルと同じ大きさに複製し展示する陶板名画美術館である。
なぜ陶板かといえば、オリジナル作品は退色劣化していくなか、陶板に焼き付けられた絵画は、およそ2,000年以上劣化しないと考えられているそうだ。
名画を残していくという目的で造られた絵画たちは、その精度も素晴らしく、レプリカだからと決して侮れない。
観て歩いて、さらにいいなと思ったのは、オリジナル作品は保存を最優先するため、近くで観られなかったりガラス越しだったり照明も弱くしてあったり、あるいは公開すらしていなかったりするが、レプリカなのでそれがない。
古びた教会の壁画も、崩れかけた教会ごと、いわば空間ごと複製してあって、そのなかを歩いて体感し、絵を傷つける心配もなく間近で観ることができるのだ。
一昨年、訪ねたヴァチカンの「システィーナ礼拝堂」や、7年前に観た「最後の晩餐」など、なつかしく眺めながらも、日本語の解説を聞きながら歩けば、新しい情報が入ってきて、さらに新しい発見もあった。
「大塚国際美術館」。
もう一度足を運びたい美術館である。
入った途端、ひとつ目の部屋が「システィーナ・ホール」。ヴァチカンの「システィーナ礼拝堂」を再現してありました。ミケランジェロの「最後の審判」。
上の階から見ると、こんな感じ。一番下に写っている人が小さく見えますね。
パリの南ノアン・ヴィック村にある「聖マルタン聖堂」。12世紀前半の西南フランス特有のロマネスク様式だそうです。
ギリシア第二の都市テサロニキにある「聖ニコラオス・オルファノス聖堂」。部屋を行き来してじっくり観れば、行ったことのない実際の聖堂を歩いているような迫力がありました。
ジョットが描いた、北イタリアのパドヴァにある「スクロヴェーニ礼拝堂」。正面にはミケランジェロとはまた違った「最後の審判」が。
アッシジの「サン・フランチェスコ大聖堂」で見た「小鳥への説教」。
世界各地に散らばっている6枚の「ひまわり」のほか、戦火で焼失し今はもう存在しないゴッホの「ひまわり」を、美術書にあった写真から復元したという絵も展示されていました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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