5月の後半、毎年ピントでは、「Fiestas del Cristoin Pinto」(キリストの祝祭)が行われるという。
24日日曜日夕刻、そのなかの大きなイベントである”Procesión Solemne del Sto. Cristo del Calvario(カルバリオ教会の厳粛な行列)”を、観に出かけた。
駅の向こうの小さな教会のイエス・キリスト像を、エヒード公園近くのサントドミンゴデスロス教会へと運ぶ行列が行われるらしい。
5月24日から31日の一週間だけ、そのキリスト像はサントドミンゴ教会に収められ、また31日にはカルバリオ教会へとふたたび行列を組んで戻されるという。
ネットで調べた情報だが、復活祭(イースター)から50日目の日曜日である5月31日は、キリスト教の三大イベントの一つ「聖霊降臨(ペンテコステ)」の祝祭日なのだそうだ。
キリスト降誕から復活・昇天・聖霊降臨への流れのクライマックスということなのだろうか。
調べてもよくわからなかったが、行列はとても興味深かった。
御神輿のようなものを、20人以上で担ぎ、ゆっくりと歩を進める。
見るからに重そうなキリスト像を乗せた台座を、30℃を超える炎天下で、およそ4時間かけて運ぶというのだから驚かずにはいられない。(途中、交替はするようだった)
後ろには、音楽隊が演奏しながら緩やかに行進していく。
その周りを、静かに人々が歩いていく。
夫は、マラサーニャ地区を歩いたピントの写真家さんふたりと会い、撮影ポイントやこの行列が古くから受け継がれてきた伝統あるものだという話を聞きながら、写真を撮っていた。
宗教を持たないわたしたちがともに歩くことや写真を撮ることに、怪訝な顔をする人はいない。
「gracias(ありがとう)」と握手を求めてきた老人、「¡Qué bonito!(なんて美しいのかしらね)」スペイン語はわからないだろうと知りつつも、伝えたい思いでいっぱいの老婦人。
みな、自分の街のこの行列を誇りに思っているのだと思った。

夕方5時過ぎ。「カルバリオ教会」のまえには、だんだん人が集まってきました。

音楽隊が、スタート。

キリスト像が、運び出されました。

キリスト像は、線路のしたの通路を数人で担いで通って、駅前で、はなやかに装飾された台座に立てられました。

厳粛な行列が、始まりました。みな周囲や後ろをゆっくりとついていきます。わたしたちも、一緒に歩きました。

キリスト像を運ぶ意味は結局わからなかったけど、厳粛な気持ちになります。

写真を撮る人、ベランダから眺める人もたくさんいました。

市役所前の広場を通って。

垂れ下がった電線は、キリスト像が引っかからないようにY字ポールでその度その度上げていました。その電線を先に見つけて報告する人、Y字ポールを持って歩く人、電線を上げる人が上る脚立を持って歩く人、水分補給の水を運ぶ人などなど、さまざまな役割があるようでした。

アパートメントのベランダから見下ろして。行列はまだまだ続いていましたが、ここまで2時間かかりました。30℃超えの暑さ。わたしたちは、シャワーを浴びて、夕飯にしました。

キリスト像は、明後日31日まで、この「サントドミンゴデシロス教会」に安置されています。

随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。