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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

『弔EXPO’19』

末娘が出演する芝居を、観に行った。

東京は南千住の住宅街で行われる野外劇『弔EXPO’19』だ。

そこは昭和の雰囲気をいまだ持つ商店街が立ち並ぶ一角。駐車場を劇場に仕立てた手作り感満載の野外ステージだった。

 

娘がコンビニ店員役を務めたのは、gekidanUの『イントロダクション』。

といってもコンビニのシーンは出てこない。マナーの悪い親父たちは許さない、コンビニの仕事に誇りを持つ女性という役で、主人公に接していた。

 

妹カンナの死を受け入れられず心を失ったままの源(げん)は、近所のスナックで独り言を繰り返す日々。そんな兄を見て、カンナは成仏しようと霊能師、香苗を呼ぶ。

ミュージシャンを目指す風(ふう)は、いつか聴いたカンナの弾くギターのメロディが忘れられない。

仲間の瑠奈は、そんな風に苛立つ。

残業続きのスーツ姿の若い男、直。

親父たちを叱りつけるコンビニ店員、藍子。

日々「ばかやろう!」と叫ばずにはいられないスナックのママ帆鳥(ほとり)。

風を「カンナ」と呼び応援する、やつれた女性、多恵。

はてさて。香苗は、カンナを成仏させることができるのか。

 

野外だとは知っていたけれど、想像のつかない光景だった。ステージも何もかも1から創りあげてしまうパワーって、すごい!

そして描くのは、やっぱり人の心だ。

シリアスなテーマのなかにもユーモアがふんだんに散りばめられていて、人は笑っていないと生きてはいけないんだよなあと、観ていて胸がくすぐられたような気持ちになった。

ここです。雰囲気ありますよね~

2階のベランダに螺旋階段を取り付けたセット。

死んでからもこの家に居続けるカンナと、カンナを忘れられない兄。

カンナは霊能師を呼び、成仏したいと頼むのだが。

そのためには、カンナの死とともに失くした母親と兄の心を取り戻さなくては。

コンビニ店員役の末娘も、がんばっていました。

お芝居全体に掛け合いのおもしろさ、タイミングや間合いのよさが光っていましたが、特に真ん中の女優さん、ツッコみ具合が半端なくめちゃ楽しかった。

 

☆公演は、本日8月1日から後半がスタートします~8月4日(日)まで。

お近くの方、興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。

若いパワーに、きっと元気がもらえることと思います。

COMMENT

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  1. ユミ より:

    ちょっとスピリチュアルなストーリーですね。
    野外の駐車場の一角に、ステージを作り上げるっていう発想が、斬新ですね。
    娘さん、ずっと頑張ってらっしゃるんですね。
    私の仲のいい友達の息子さんも、高校時代から演劇をやっていて、今はやめてしまったけれど、小さい劇場に2ほど見に行った事があります。
    オリジナルのストーリーだったんだけど、とても感動したのを覚えています。
    立派な建物じゃなくても有名な劇団じゃなくても、輝く才能はたくさんあって、人を元気にさせられるって素晴らしいってその時も思いました。
    娘さん、まだまだ若いんですもの。
    好きな事があって、それに打ち込めるって素敵です。
    ずっと応援してあげたいですね。

  2. さえ より:

    >ユミさん
    ストーリーおもしろかったです。
    そして、娘も含め若者たち、がんばってるなあ。人から発する熱、感じるなあ。って思いながら観ていました。
    味わいのあるステージでしょう?
    何もないところから創りあげるってすごいですよね~
    応援してくださって、ありがとうございます。
    わたしも応援していきます。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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