「タイムカプセルが開きました」
友人に、LINEした。7月末に、青森美術館巡りの旅をした友人だ。
すぐに、「タイムカプセル、楽しみました。ありがとう」と、拍手するスタンプが届いた。
”タイムカプセル”とは、彼女と一緒に歩いた「十和田市現代美術館」を『地球の歩き方』で紹介した記事のこと。
【現代アートっておもしろい!アートのまちに息づく「十和田市現代美術館」】
力を入れて取り組んだ記事だったので、達成感とともに心地よく脱力した。
このひと月、美術館とのやりとりや調べ物、記事作成、修正、確認とがんばってきたのである。
友人に内緒にしていたわけではないけれど、ともに楽しんだ時間に対するプレゼントのような気持ちで取り組んでいた。
その時間、彼女は彼女で旅の余韻を楽しんでいたに違いない。
ふたりで旅をしたことで、ふたりのあいだに流れる共通する時間の波のようなものが生まれ、それがそれぞれ個々に過ごした時間と交錯し、ポンッと開いたタイムカプセルを、共通する波のなかで一緒に楽しむことができたのだった。
『水の記憶』塩田千春。
記事をかいてよかったと思うのは、実際に目にしたアート作品を、さらに深く知ることができたこと。
木船には命を運ぶものとして”生と死”が、赤い糸には人間に通う血潮や人と人との繋がりがイメージされていて、何層にも編まれた糸を見つめていると一本一本をはっきりと捉えられなくなっていく。
この作品は、捕らえられないもの、曖昧なものをかたちある姿で表現しようとしていました。
なかに入ってキョロキョロしたり、通り抜けたり、写真をとりあったりした『光の橋』アナ・ラウラ・アラエズ。
わたしたちふたりに特別(?)笑顔を見せてくれた『スタンディング・ウーマン』ロン・ミュエク。
十和田では、やわらかな色合いのこぎん刺しを2つゲットしました。名刺入れと、ミニがま口はアクセサリー入れにして鞄に忍ばせています。
こちらは、手話教室のみなさんへのお土産にした金魚ねぶた。可愛いでしょう? まんまるい林檎羊羹が入っています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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