青森県には、代表する美術館が5つある。
「青森の美術館巡りをしよう」と友人が言いだしたのは、去年のことだった。
わたしも、このところ原田マハのアート小説にハマっていたし、行ったことのない青森。海鮮も美味しそう。「いいねえ」と答え、その瞬間から旅が始まった。
最初に訪れたのは、現代アートの宝庫と謳われる「十和田市現代美術館」。
世界を舞台に活躍する現代アーティストの作品が、白く広い空間や屋外にのびのびと自由に展示されている。
十和田湖にあった木船。その船をつなぎとめるかのように張り巡らされた無数の赤い糸に、深く深く沈んでいくような切なさを覚えた「水の記憶」。
無機質なブルーの光と胸の奥をくすぐるような音色が、異世界へと足を踏み入れるような錯覚を誘う「光の橋」。
国境や領土という概念から解放され、雲のようにかたちを変えてゆく都市の在り方をイメージしたという「オン・クラウズ」。
現代アートに親しみがないわたしにも、オーラのようなものが強く訴えかけてくる。
なかでも、深く印象に残ったのは「スタンディング・ウーマン」だった。
身長約4mの年老いた女性像。観るまでは、ただ大きいだけなんでしょ、とちらっと思っていた。
しかし、彼女のリアルさに圧倒され、次第に”奇妙さ”が、わたしのなかで膨らんでいった。
「あ、笑った!」
友人が言ったのと、わたしが心のなかでそう叫んだのは同時だった。
女性像が表情を変えるわけもなく、だが、じっと見ていると口もとが、目もとが、微かに微笑んだように見えるのだった。
「小さい人たち。きのう、こんなことがあったのよ」
そんなふうに、今にも語りかけてくるような気がした。
「スタンディング・ウーマン」ロン・ミュエク/オーストラリア
わたしとスタンディング・ウーマンさん。
「水の記憶」塩田千春/日本
「光の橋」アナ・ラウラ・アラエズ/スペイン
自由になかを歩けました。
「オン・クラウズ」ハウス・オプ・デ・ペーク/ベルギー
なかに入って。
「無題/デッド・スノー・ワールド・システム」フェデチコ・エレーロ/コスタリカ
階段も、アートでした。
屋上から。「ゴースト アンノウン・マス」インゲス・イデー/ドイツ
こちらも屋上から。「夜露死苦ガール2012」奈良美智/日本(青森)
逆光ですが。「フラワー・ホース」チェ・ジョンファ/韓国
「愛はとこしえ十和田でうたう」草間彌生/日本
楽しい美術館ですね。ブログ仲間の青森の人たちの記事に出てきて、いつか行ってみたいな~と思っている美術館です。
スタンディング・ウーマンの迫力、写真でもわかります。
光の橋もいいなあ~。
実際に入れるのが何よりいいですね。
これはいかなきゃ!
さえさん、可愛い♬
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。