エッセイ教室での今月のテーマが「映画」だったので、知らなかった映画情報をゲットした。映画『あんのこと』も、そのひとつ。
監督・脚本は、コロナ禍で大切な人を亡くしたという入江悠。
〈cast〉
香川杏【河合優実】21歳。幼い頃から母親に暴力を振るわれ、12歳から売春を強いられてきた。覚醒剤使用で逮捕される。
多々羅保【佐藤二朗】麻薬中毒患者を支援する刑事。杏を助けようと親身になる。
桐野達樹【稲垣吾郎】週刊誌の記者。支援サークルに出入りしていて、多々羅と杏と親しくなる。
ほか、河井青葉、広岡百合子、早見あかりなど。
〈story〉
母親からの暴力と売春の強要。杏は、過酷な人生を送ってきた。
身体を売った男たちにヤクを打たれ中毒になり、覚醒剤使用で取り調べを受けた彼女は、刑事、多々羅に出会う。ありのままを受け入れてくれる多々羅に、杏は次第に心を開いていく。
多々羅の勧めで薬物更生者の自助グループにも通うようになり、介護施設で働き始めた杏だったが、新型コロナウイルスが蔓延。ようやく手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。
そんなある日、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされるのだった。
映画は、”人の弱さ”というものを軸に描いていた。
自分の娘、杏に暴力をふるい続けた母親は、夫に捨てられ、子育てと母親の介護を迫られ、気が狂わんばかりだったのだろう。
けれど杏への暴力へと逃げたのは、肯定してはいけない弱さだ。
刑事、田多羅にも、記者、桐野にも、そんな弱さがあった。
杏は、その弱さの海に吞まれていった。弱さに甘えるだけの弱さをも持てずにいたがために。
予告編は、こちら。☆画像はお借りしました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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