8月。戦後3年目の長崎を描いた山田洋次監督の映画『母と暮せば』をAmazon Prime Videoで、観ることができた。
息子を原爆で失った母親と、その息子の物語だ。
〈cast〉
福原伸子【吉永小百合】助産婦。原爆で息子、浩二を失う。
福原浩二【二宮和也】原爆で即死。3年後、幽霊となり母のもとへ現れる。
佐多町子【黒木華】小学校教諭。浩二のもと婚約者。ずっと浩二を想っている。
ほか、橋爪功、小林稔侍、浅野忠信、加藤健一など。
〈story〉
1948年8月9日。伸子は、町子と墓参りをする。長崎に原爆が投下されたあの日から、探しに探した息子、浩二の遺留品は何ひとつ見つかっていない。どこかで生きているんじゃないか。そう思い続けてきたが、同じ大学にいた人たちの多くの死に、あるはずもない願いだとわかってもいた。
「もう、あきらめよう」そう想ったその日の夜。浩二が現れた。
「母さんがあきらめが悪いから、なかなか出てこられなかったんだよ」
足のある、笑って泣いてよくしゃべる幽霊だった。
伸子は、ふたたび取り戻した息子を愛おしく想わずにはいられない。
浩二もまた、まるで生きているかのように喜怒哀楽をあらわにし、伸子にその思いをぶつけるのだった。
死んですべてを失い数々のことをあきらめたはずの浩二だったが、ひとつだけ受け入れられないことがあった。恋人だった町子が、あの愛しい町子が他の誰かを好きになるなんて。
「絶対嫌だ!」
そう言い放つ浩二に、まるで生きているかのように説得する伸子。
「おまえはもう、この世の人じゃないんだから」
伸子のまっすぐさに、人と向き合うというのは、こういうことなのだと教えられた。
そんな伸子にも、好意を寄せる男性がいて、浩二は猛反対するのだが。
吉永小百合は、素敵だなあ。2015年公開映画でした。9年前になりますね。
予告編は、こちら。
☆画像はお借りしました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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