市内の清春芸術村の「清春白樺美術館」に、パブロ・ピカソの写真展を観に出かけた。
『創りなさい。続けなさい。』Pablo Picasso / David Douglas Duncan展
長いタイトルの写真展。展示されているのは、ピカソを撮った写真だ。
晩年、人前に姿を現すことが少なかったというピカソを、戦争写真で知られる写真家デヴィッド・ダグラス・ダンカンが撮ったモノクロームのスナップが展示されていた。
ふたりは、親しく交流していたそうだ。
バスタブに浸かったピカソや、妻の傍らでやわらかく微笑むピカソ、上半身裸でキャンパスに筆を走らせるピカソ、手作りのお面をかぶってポーズをとるピカソ。
巨匠パブロ・ピカソの日常が切りとられていて、個人的には「可愛らしいおじいちゃん」という印象を受けた。
1973年に91歳で亡くなったピカソは、15万点もの作品を生み出した「もっとも多作な芸術家」としてギネスにも登録されているという。
ピカソというと奇抜な絵を描く画家というイメージだが、興味が湧き、ピカソが描き続けた「キュビスム」というものを調べてみた。
人間の目では、一つの視点からしか物を見ることができない。当然、手のひらと手の甲を、一度には見られない。
けれど、キュビスムでは全ての面を同時に描くことができる。
人間の視点を超え、現実を模倣するだけの絵画をやめ、ピカソはすべてを描こうとしたのである。
モノクロームの写真のなかで穏やかに笑っていたパブロ・ピカソの絵を、挑戦を、今一度じっくりと観てみたくなった。
「清春芸術村」入口です。
集合アトリエとして建てられた「ラ・リーシュ」(蜂の巣の意味)。エッフェル塔のギュスターヴ・エッフェル設計。
ピカソの写真展開催中の「清春白樺美術館」です。外観がほとんど撮れていなかった。
「光の美術館」は安藤忠雄設計。
光の入り方で、きっと建物内にいる印象もずいぶん違うのでしょう。
「一本足の茶室徹」藤森照信設計。
こちらは、エッフェル塔完成百周年記念に、清春芸術村へ移設された「エッフェル塔の螺旋階段」とセザールによるエッフェル像。
空も雲も、芸術作品のような日でした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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