両国国技館に、初めて大相撲を観に行った。
”座布団1枚がひとり分”になる4人のマス席が、コロナの影響で、ふたりで足を伸ばし、ゆったり座れるという。
2月に両膝を手術した夫が、身体を動かせないあいだに大相撲中継にハマり、にわかファンの夫婦ふたりで国技館を目指した。
初めての大相撲。
知らないこと、おもしろいことがいっぱいで、驚きの連続だった。
厳かで、堂々たる土俵入り。
絢爛たる化粧まわし。
行司の色鮮やかな装束と歌うような掛け声。
土俵が綺麗な円ではなく、東西南北にでっぱり(徳俵)があること。などなど。
けれどいちばん驚いたのは、力士たちの”礼”を重んじる姿だった。
近くで見て、土俵の高さを実感した。55㎝あるという。観客から力士の足もとがよく見えるよう、昔からこの形なのだそうだ。
投げた相手の力士が転がり落ちないようにと支える姿が、何度か目に留まった。相手に怪我をさせないための配慮だ。
勝負はしても、敵ではない。
まず始まりが、互いの呼吸を合わせなければ始まらない。
力士たちは、互いを尊敬しあう仲間なのである。
だからこそ正々堂々と技と力をもってする勝負に、”礼”を重んじる信条のようなものが見えた。
そんなことを知り、相撲の世界に心惹かれていく自分をマス席から眺めていた。
両国国技館の前には、のぼりがずらり。あいにくの雨でしたが、気合いを入れているかのようにはためいていました。
おお! これが国技館。正面マス席の中段より後ろの方でした。
まだ序二段の取り組みだったので、2階席からの様子を見に。2階席には自由に入ることができました。
上から取り組みを見下ろす感じも、いいな。「徳俵」がよく見えます。
制限時間(仕切り直しが許される時間)は、幕内は4分、十両で3分、幕下以下は2分以内。序二段の取り組みは、するすると行われていきました。
そろそろ中入り。お約束の焼き鳥とビールで乾杯。
幕内の土俵入り。迫力あります。化粧まわしがそれぞれに美しく、おもしろい。
そして、横綱の土俵入り。大迫力!
宇良と若元春の取り組みです。物言いがつき、取り直しになる、押しも押されぬ攻防でした。
結びの一番が終わると、弓取式が。結びの一番の勝者に代わって行う勝利の舞なのだそうです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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