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火の女神フゥーちゃん~土偶たちのネーミング

「井戸尻考古館」と同じ日に訪ねた「八ヶ岳美術館」。

土偶札所巡りの記事をアップした。

2体の土偶には、それぞれ「火の女神フゥーちゃん」「恩膳さんころん」というニックネームがあり、フゥーちゃんの方は、公募で338件集まったなかから選ばれた小学3年生がつけた名前だという。

応募理由には、こうあった。

土器の口がフゥーって言っているようです。縄文人の祈りを火に灯すなんて、まるで火の女神のよう。フゥーは火を意味しています。

「フゥー」は、フランス語の「火(feu)」だそうだ。

フランス語を使った小学3年生。すごい。

 

去年訪ねた「南アルプスふるさと文化伝承館」でも、「ピース」の名が決まったばかりだった。

発掘された欠片のピース、平和のピース、3本指のピース(なぜか3本指の右手を挙げている)から連想した、やはり公募で決まったネーミングだ。

もう1体が「ラヴィ」だったことも、選ばれた要因になったはずだ。

「ラヴィ」&「ピース」と覚えてね、とかかれていた。

 

これまで会った土偶たちのなかには「ちびーなす」「しゃかちゃん」「しゃっこちゃん」「みさかっぱ」「やっほー」などなど、親しみやすく覚えやすい名前がつけられていた。

名前を呼んだり、覚えたりすると、途端にその土偶の存在そのものが”立つ”から不思議だ。

彼らに似つかわしい名前をつけているからこそ、そこに彼らが持つ概念のようなものが見えるようになり、あるいは想像を膨らませる手伝いをし、数多くの土偶のなかでも特別な存在となるのである。

ネーミング作用と、勝手に名づけたいくらいだ。

縄文時代の人々は、5000年後に土偶や土器が新しい名で呼ばれるなどと、想像だにしなかったことだろう。しかも、ちゃんづけで。

「火の女神フゥーちゃん」です。

後ろ姿がまた、気合いが入ってる。

ドームが連なるような風変わりな建物は、建築家、村野藤吾の設計によるものだそうです。

駐車場から「信玄の棒道」へと続いていました。

およそ5000年前には縄文の人々が暮らし、500年前の戦国時代を経て、明治時代に生まれ昭和を生きた清水多嘉示のアートが息づく。

原村っていうとペンション村っていうイメージが強かったけど、まったく違う顔を持っていたのだと知りました。

 

☆『地球の歩き方』山梨特派員ブログ、更新しました。

【土偶に会いたい!〈その8〉八ヶ岳美術館~火の女神フゥーちゃん&恩膳さんころん「三十三番土偶札所巡り」】

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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