不思議な雲を、見た。
まるで、窓を開けた向こうに空が広がっていて、その手前に真っ白いカーテンが風に揺れているような絵だった。
いや、鼻の高い外国人の横顔のようにも見える。
しばし、見上げてから買い物へ。
帰ってくると、カーテンではなくなっていた。そして、午後には、どこかへ行ってしまった。
雲の形は、刻一刻と変わっていく。
『空の名前』を開いてみたが、こんなに大きな雲の名前は載っていない。
上層の雲なのか、下層の雲なのかも、まったくわからなかった。
雲の名前には、高いところ(上層)の巻積雲、低いところ(下層)の積乱雲など、専門用語的な名前も多々あるが、見たままを名前にしたようなネーミングも多い。
ちぎれ雲、鰯雲、羊雲、うろこ雲、入道雲、笠雲、レンズ雲などなど。
ページをめくると、こんな記載もある。
蝶に似た雲を「蝶々雲」、羽に似ていれば「羽根雲」、座っているように見える「座り雲」、立ち並んでいるかのような「立ち雲」、そして夕焼けに染まれば「夕焼け雲」になる。
それならば、「カーテン雲」と名づけようか。
それともイタリア人の名前をつけて「レオナルド雲」か、「アレッサンドロ雲」か。
見たまま感じたままのイメージで、雲には自由に名前をつけていい。きっと、その場限りの出会いなんだから。
これです。カーテン雲。家の前で。
鼻の高い外国人の横顔のようにも見えますね。
太陽を、すっぽり隠していました。
東を向くと、こんな風景が。ここまで、つながっていました。
買い物から帰ってくると、カーテンに尻尾! いや、横顔にピノキオの鼻?
八ヶ岳の東には、笠雲か吊し雲かの前触れのような雲が。
どんなふうに、形を変えていったんだろう。
☆シミルボンサイトでの連載はこちら【空を眺めて】
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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