タチアオイが、咲いている。
ヤブカンゾウはまだ緑だが、「トトロの季節」が、やって来た。
関東甲信は平年よりわずかに早く梅雨入りを迎え、田んぼの緑は日々色を濃くしていく。
その緑に浮かび上がるように、鮮やかな赤紫のタチアオイが咲いている。
タチアオイは梅雨の初めに咲き始め、足もとから階段を上るように上へ上へと咲き上がっていく。毎日新しい花を咲かせていくらしい。
そして、てっぺんの花が咲き終わると同時に、梅雨が明けるとも言われているが、8月いっぱい咲きつ続ける花も多いそうだ。
人の背よりも高く太陽に向かって咲くことから「立葵」と名づけられたこの花は、同じ葵の字がつく花でも向日葵とは違い、和の趣がある。中国から渡って来たという。
今年も「トトロの季節」が来たことを実感し、家に帰るとヤマアジサイが濃く青く咲いていて、驚いた。
この時期、花たちは次々と咲いてゆく。
ぼんやりしていると、見過ごしてしまうほどに。
田んぼの畦に咲いているタチアオイ。
田んぼの持ち主さんが、植えたのでしょうか。
農作業中に、季節の花々が咲いていると気持ちが和むのでしょう。
田んぼの稲は、少しずつ緑濃くなってきました。
車が通らない通学路。こんな道も、『となりのトトロ』にあったような。
アザミも咲いていました。
アザミとタチアオイの組み合わせに、パリの白鳥の小道を思い起こしました。あのときも6月だったけど、パリにも梅雨、あるのかな?
家に帰ると、ヤマアジサイが青く色づいていました。
青い鳥を見つけた気分でした。
庭では、シモツケとノコギリソウも咲き始めています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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