「東側の森に、白い花が咲いてるよ」
家の玄関側に隣り合わせた森である。
毎年咲くコバノガマズミかと思ったが、様子が違う。
「ネムの木に似てる」という。
見てみると、確かにネムの花のように綿毛のようなふんわりした花がたくさん咲いていた。
トネリコだった。
日本語っぽくない名前は、しかし、日本語に由来するらしい。
枝に付いたイボタロウムシの分泌物をワックス代わりに、戸の溝に塗って滑りをよくしたため「戸に塗る粉=トネリコ」になったという説などがある。
これまでは、気がつかなかったのか。それとも木が育っていつしか花を咲かせるようになったのか。
トネリコの花を知ると、ウォーキングの道々にも咲いているのが目につくようになった。
知ると、目に留まる。
知らなければ、目に留まることも少ない。
人の眼は、認識は、そういうふうにできている。
東側の森に咲いているトネリコの花。
アップにすると、花っぽくないけど綺麗です。
コバノガマズミも咲いています。
ウォーキングで見かけた、高いところに咲いていたトネリコの花。背伸びをして撮りました。
ウォーキングでは足もとにもいろいろな花を見かけます。オドリコソウ。
マムシグサ。
逆光でうまく撮れなかった藤の花。
堰沿いの山吹は、満開でした。
大きな花を、みごとに咲かせていました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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