庭のハナミズキが、咲いた。
赤と白の花が咲く木を隣同士に1本ずつ植えているので、紅白でにぎやかだ。
垣根の横に植えているので、道路から眺めると、隣の森の山桜との共演が素晴らしかった。
植えてから何年かが経ち、花の数も増えた。
ハナミズキは、「アメリカヤマボウシ」という別名を持つ、アメリカから来た植物だという。
大正時代、東京市長が、日米友好を願ってソメイヨシノ約3000本をワシントン市へ寄贈し、その返礼としてハナミズキが贈られたのだそうだ。
花言葉の「私の想いを受けてください」「返礼」「永続性」は、そのエピソードから、考えられたらしい。
山梨には、ハナミズキを街路樹にしたハナミズキ並木道が多く、車を走らせながらも楽しんでいる。赤あるいはピンクと白を交互に並べた並木には、桜とは違った華やかさがあり通るたびに目を奪われる。
川崎にいた頃暮らしていたマンションの庭にも、1本だけ白い花を咲かせるハナミズキが植わっていた。桜が終わった頃、恥ずかしそうに白い花びらを大きくしていくその花に、何度ハッとさせられたことだろう。
小学生、幼稚園、赤ん坊の3人を抱え、忙しくしていたあの頃。春はどの季節よりも慌ただしく過ぎていく季節であり、ハナミズキが花を咲かせることすら毎年すっかり忘れていて、なので毎年のように驚かされたのだった。
アメリカからやってきたハナミズキが、庭で花を咲かせ揺れていることの不思議を思う。今はゆっくりと花が開いていく様を楽しめるほどには、時の流れも緩やかになった。
手前が白いハナミズキ。隣が赤。その向こうには、山桜が満開です。
赤いハナミズキ。
光の加減によって、ピンク。
白いハナミズキ。
東側の森の山桜。
辛夷は、最後のひとつが咲いています。
葉が開いて、ぐんぐん伸びていますね。
リビングの窓から見た八ヶ岳。新緑の額に縁取られて。
まだもう少しのあいだ、冬山の顔かな。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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