「朝ご飯前に、上ってみない?」
土鍋で栗ご飯を炊いていたら、夫が言う。
「久しぶりに、八ヶ岳が見える」
夫が退職し、もう朝食を急ぐ必要もないので、ふたり足場に上ってしばし八ヶ岳を眺めた。
「今しか見られない風景だね」
「大工さんが、足場買い取ってつけっぱなしにしといたらって言ってたけど」
「それもいいかも」
なんて話ながら、足場を組んでいるあいだに、青く晴れあがった空のした雲と遊ぶ八ヶ岳が見られてよかった、と思う。
もしかしたら、足場は関係なく、今見ている風景は、今しか見られない風景なのかもしれない。
八ヶ岳。秋の雲と遊んでいるみたい。
屋根の向こうに見えます。
田んぼの緑がまた綺麗。
最高峰、赤岳。
権現岳。
西側の空。
ここまで上っても、南アルプス連峰は見えないなあ。赤松、高い!
赤松よりも、高い高い秋の空。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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