八ヶ岳が、雪化粧を濃くしたり薄くしたりを繰り返している。
八ヶ岳の「八」という字には8つの山ではなく「たくさん」という意味がある。いくつもの山々が連なる連峰なのである。
そのなかの「権現岳」は、2,899mの赤岳、横岳、阿弥陀岳に続く2,715mの高峰で、我が家からは最高峰、赤岳と並ぶ2つのピークのような見え方をしている。
雪化粧をしてもっとも雰囲気を変えるのは、その権現岳だ。
雪が積もると、こちらから見て前方にそびえる「三ツ頭」という山がくっきりと浮かび上がるように見える。2,580mの三ツ頭には雪が積もらず、後方にそびえる権現岳にだけが白くなるのだ。
夏の間は、ここから見るとちょうど重なっているので、同じような色をしていることで一体化して見えてしまう。
八ヶ岳登山の経験者には、そうは見えないのかもしれないけれど。
「三ツ頭」の名前の由来は、調べてもわからなかった。
「権現岳」は、神が仮の姿で現れることを「権現」というところからつけられた山岳信仰によるものだそうだ。山は、祖霊の住処であり、天と地を結ぶ軸であり、宇宙そのものだと信じられていたという。
日々八ヶ岳を目にし、その存在を感じていると、そんな信仰も自然なもののように思えてくる。
12月2日の八ヶ岳です。
最高峰、赤岳が真っ白。
そしてこれが権現岳。手前の白くなっていないピークが三ツ頭です。
これは9月初め、夏の顔をした権現岳です。三ツ頭と一体化しているように見えませんか?
昨日の朝の権現岳と赤岳。三ツ頭にも雪が積もっていますね。
見るたびに、様子を変えていきます。
三ツ頭から権現岳のピークを目指すルートは、一般的みたいです。とても登れそうにはないけれど。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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