「まだ、痛むんだよ」肺の手術をしてからというもの、電話の父の声がか細く聞こえるようになった。88歳という年齢での手術は、気持ちも弱らせてしまったように見え心配していたのだ...
日曜日。所用で清里に出かけた際、八ヶ岳高原大橋を通った。前日の雲がかかった八ヶ岳に心配していたのだが、八ヶ岳おろし、強い北風が吹くだろうとの予想を裏切り、穏やかな陽気だっ...
スフォルツァ城に展示されている「ロンダニーニのピエタ」を観た。ローマのロンダニーニ邸の中庭に置かれていたことから、そう呼ばれるこの彫刻はミケランジェロにとっては4体目とな...
夫もわたしも、オッソブーコという食べ物を知らなかった。知ったのは、ミラノで買った日本語のガイドブック。どうやらミラノの歴史あるご当地グルメらしい。osso(オッソ)=骨、...
「天に通じるように、葉脈が伸びているみたい」ミラノでドゥオモを見上げたとき、その細やかさと美しさに、植物のなかに伸びていく水分や養分を運ぶ道、葉脈がはりめぐらされているよ...
パレルモのB級グルメと言えば、アランチーニと内臓バーガーだ。アランチーニは、トマト味のライスコロッケ。「なんで、オレンジ(Orangeアランチャ)なのにオレンジが入ってな...
イタリアに来てからというもの、上ばかり見ている。教会を観に行くことが、多いからだ。宗教は持たないが、教会のしんとした心が落ち着く雰囲気や美しさを、ただ観て空気を吸い、感じ...
「パレルモで、おススメの魚は何ですか?」夫が訊くと、タクシー運転手の女性は、当然という口調で言った。「ソードフィッシュ!」「ソウルフィッシュ?ソウルフードみたいなものかな...
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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