このところハマっている、米澤穂信のデビュー作。
〈古典部〉シリーズ第一作だ。
「氷菓」というタイトルから、勝手に米澤穂信はスイーツ好きなのかと思っていたが(言うまでもなく『春季限定いちごタルト事件』などの〈小市民〉シリーズはスイーツまみれだったわけだし)、まったくもって無関係だった。
シリーズは6刊あり、京都アニメーションでアニメ化もされている。
主人公は、高校1年の折木奉太郎(おりきほうたろう)。
神山高校入学を待つ春休み。ベナレスから、放浪の旅の途中の姉から手紙が届く。
古典部に入りなさい。
奉太郎は、省エネをモットーとしている。
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければならないことは手短に、だ」
そんな彼だが、なぜか姉には逆らえない。
古典部のメンバーは、奉太郎含め、1年生4人で定着する。
福部里志(ふくべさとし)奉太郎の旧友。興味があることしかやらないが、興味の幅が広い。
千反田える(ちたんだえる)桁上がり四名家のひとつ豪農千反田家の一人娘。
伊原摩耶花(いばらまやか)奉太郎とは腐れ縁。里志に思いを寄せる。漫研部員。
古典部の部室は、なぜ密室になったのか。
毎週図書室で、同じ曜日に貸し出され返却される本の謎。
古典部文集のバックナンバーを探す部員たち。しかし、あるはずの場所でひとりの先輩男子に「ない」と言い張られてしまう。
そんな日常の小さな謎を解き証していく奉太郎を見込んで、えるが相談を持ちかけた。そこには、彼女が古典部に入部した”一身上の都合”があった。
えるの伯父は、33年前、神山高校の古典部に所属していたが高校を中退している。現在、彼は行方知れず。えるは伯父から古典部にまつわることを聞き大泣きした記憶を持つが、幼い頃の出来事で思い出せない。そのとき自分が泣いた理由を知りたいという。
関谷先輩が去ってからもう、一年になる。
この一年で、先輩は英雄から伝説になった。
見つかった古典部文集『氷菓 第二号』の冒頭にあった序文だ。
「ひょうか……」
これが、文集の名か?
「変な題名だね」
俺の肩越しに伊原が覗き込んできて、
「そうね。よくわからない名前だわ」
と一言同意する。
えるの口癖(決め台詞)は、「わたし気になります」。彼女がこれを言い始めると誰も止められない。
「三十三年前、伯父に何が起きたのか、わたし気になります」
このひと言で、古典部は謎解きに乗り出すことなった。
角川文庫のキャラクター「カドイカさん」のお墨付きフェアだそうです。
だね。デビュー作も読んでおきたイカな。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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