コロナ禍に本格的に突入してから、初めて映画館で映画を観た。
劇場版『きのう何食べた?』である。
コミック、ドラマとハマり続けてきたこの映画を劇場で観られる幸せ。まったりしてほっこりして、シロさんとケンジの一挙一動にクスクス笑いが止まらなかった。
〈cast〉
筧史朗 【 西島秀俊】通称シロさん。弁護士。倹約家で、その日の特売品で献立を考える料理好き。
矢吹賢二【内野聖陽】通称ケンジ。明るく気さくな気遣いのできる美容師。ヤキモチ焼き。
小日向大策【山本耕史】芸能プロダクション社員。ジルベールの恋人。高級食材でシェフ並みの腕を振るう料理上手。
井上航【磯村勇斗】通称ジルベール。小日向の恋人で、フリーのトレーダー。わがまま邦題言って小日向を困らせる。
富永佳代子【田中美佐子】近所の頼もしいベテラン主婦。シロさんの買い物友達で家庭料理のプロ。
〈story〉
小さな法律事務所で働く雇われ弁護士、筧史朗とその恋人で美容師、矢吹賢二。同居する2人にとって、食卓を囲みながらの夕食は、日々のことごとを語り合う大切なひととき。史朗の提案で、賢二の 誕生日プレゼントでふたり「京都旅行」に 行くことになる。けれど、旅行をきっかけに、小さなわだかまりができてしまい……。
オープニングの京都旅行はコミックですでに読んでいたシーンなので、紅葉の京都を一緒に楽しんでいる感じで観ていたら、あっという間にひきこまれていた。
ゲイのカップルだということで、シロさんとケンジにとって越えられない壁があったり淋しい思いをしなくてはならなかったりと、storyにはそういうことも多々盛り込まれているのだけれど、相手を思いやるからこそ言えないことがあったり、淋しい気持ちを我慢したり、勝手に心変わりを疑ったり、身体の具合を心配したり、そんな誰にでもある日常が描かれていて、共感のフェーン現象が胸のなかに巻き起こる映画だった。
ケンジの、淋しさを超えた優しさを感じるセリフ。
誰かのうれしいことって言うのはさ、やっぱうれしいじゃない。
が好きだった。
そして、シロさんがたぶんこれまでも何度もつぶやいてきただろうセリフ。
あいつの好きなもんでも、作ってやるか。
こんなふうに、好きな人や家族に接していけたら、素敵だな。
ところで、夫が引退して家にいるようになってから一人で映画を観に行くのも初めてのことだった。
こうして、それぞれが好きな時間を持つのもいいよね。
画像はお借りしました。ケンジ内野、はっちゃけてるなあ。アドリブでシロさんを追いかけるシーンで、内野さん、弁慶の泣き所をぶつけたそうですよ。
☆シミルボンサイトで連載中。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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